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2020年9月25日 (金)

彼らが精いっぱい自分の人生を生きることができたのは、彼らが生を得たのが日本国であったからです

ーー以下「ねずブログ20/9/20」より抜粋編集

『女子鑑(じょしかがみ)』大阪府学務部・昭和13年刊より

武田勝頼の妻は、北条氏康の6女で北条夫人と呼ばれますが、名は不明です。

天正10(1582)年3月、織田信長が大軍で武田氏に攻め込み、武田の旧臣たちが勝頼に背いたので、勝頼は百騎ばかりで城から落ちのびました。

夫人もようやく荷付馬(につけうま)に乗って、侍女らはみんなワラジを穿(は)いての逃避行でした。

ーー

城には敵が攻め入り、火煙が天をおおっていました。

勝頼たち一行は、天目山に遁(のが)れました。

けれどそこにも、秋山摂津守が叛(そむ)いて火砲を発して襲ってきたので、鶴背のほとりの田野というところに隠れました。

ーー

敵兵が潮(うしお)のように湧き出て攻めてきました。

勝頼は夫人に告げます。

「武田の運命は今日を限りとなった。おまえには伴(とも)をつけて、小田原の実家に送り届けよう。年来のおまえの情(なさ)けには、深く感謝している。甲府からどんな便りがあったとしてもおまえは小田原で心安く過ごせ」

夫人「おかしなことを聞くものです。たまたまおなじ木陰(こかげ)に宿ことさえ他生の縁と申すではありませんか。わけても7年、あなたと夫婦の契(ちぎり)を結び、いまこうして危機に遭ったからといって早々に離別されて小田原へ帰るならば、妾(わらわ)の名がけがれましょう。ただ夫婦は、死生を同じくするべきです」

ーー

そして夫人は老女を振り返り「この年月は、子ができないことばかり嘆(なげ)いて神仏に祈っていましたが、いまはむしろ良かったのかもと思えます。たとえ子がなくても小田原(実家)が跡(あと)を弔(とむら)ってくれることでしょう」と言い故郷へこの事情を伝えよと手紙をしたためられた。

「女の身なればとて、北条早雲、北条氏康より代々弓矢の家に生まれ、ふがいなき死をせしといわれんも恥ずかし。妾(わらわ)はここにて自害せりと申せ」

手紙の上巻に髪の毛を切り巻き添えて「黒髪の みだれたる世を はてしなき おもひに契(ちぎ)る 露(つゆ)の玉の緒」と詠ぜられました。

ーー

そして敵軍、乱れ入り、一族郎党ことごとく討たれていくとき、夫人は声高く念仏を唱えて自害されたのです。

老女もともに殉死しました。

勝頼も自害して、武田の一門はこうして滅亡したのでした。

ーー

「跡弔い給うべし」という言葉は、お能の「敦盛」のなかに登場する言葉で、次のように展開されます。

 討たれて失(う)せし身の因果
 めぐり逢ふ敵(てき) 討(う)たんとするに
 仇(あだ)をば恩に 法事の念仏 弔(とむら)はば
 終(つい)には共に 生まるべき
 同じは蓮(はす)の 蓮生法師
 そは敵にては なかりけり
 跡弔(あととむら)ひて 賜(たま)び給(たま)へ
 跡弔(あととむら)ひて 賜(たま)び給(たま)へ

(戦いに敗れて討たれて失われるのは、我が身の因果、めぐりあう敵は愛の逢瀬のようなもの。その敵を討った仇さえご恩のひとつと感謝の念仏を唱えるならば、次の世では互いに仲良く生まれ変わることもできるだろう。互いに同じ蓮の根につながる魂ならば敵も味方もありません。どうか、あとの弔(とむら)いを頼みます。どうか、あとの弔(とむら)いを頼みます)

ーー

「めぐり逢ふ敵」に、男女の逢瀬を意味する「逢ふ」という字が使われているので、「めぐりあう敵は、愛の逢瀬のようなもの」と訳させていただきましたが、語感としては、これが正しい訳であろうと思います。

たとえ自分の命を失うことがあっても、そこに愛を見出す、これこそが日本的な価値観といえるのではないでしょうか。

ーー

昔から、位の高い魂は、時間軸を超えるといいます。

我々が肉体を持って生きている三次元の世界では、時間軸は過去から未来へと一直線にしか流れませんが、もっと高次元においては、過去現在未来は、環(たまき)のようにつながっているのだそうです。

ーー

死ぬと魂が肉体から離れ去ります。

これを「逝去」といいます。

「逝」という字は、折れて進む(辶)です。

つくりの「折」はバラバラになることを意味します。

肉体と魂がバラバラに離れるから「逝」です。

そして魂が去っていくから「逝去」です。

ーー

魂が行く世界は、時間に縛られた低次元の世界から、時空を超越した高次元の神々の世界まで様々です。

ですから位の高い神様は、上古の昔も、今も、未来にも存在します。

勝頼の妻の辞世の歌は、そういう理解の上に成り立っています。

ーー

 黒髪の みだれたる世を はてしなき
 おもひに契(ちぎ)る 露(つゆ)の玉の緒

ーー

「玉の緒」というのは、魂(たま)と肉体(しひ)を結び付けている緒のことです。

魂は「玉の緒」で肉体とつながっていると考えられていましたから、玉の緒がほどけることは、死(ほとけとなる、ほどける)を意味します。

しかし「露と消える玉の緒」であっても、私の思いは消えることはない。

ーー

今生では乱れた黒髪のような乱世を生きることに成ってしまった。

けれど、きっと來世、平和な時代に生まれて、一緒に仲良く、長く一緒に暮らしましょう。

というのが、夫である勝頼との消えない思いです、というのが、この歌の意味です。

ーー

そして「黒髪の乱れる」は、和泉式部の歌から本歌取り。

失っても失っても、それでも一途に愛する想いを大切にするところで使われる語です。

ーー

「玉の緒」は式子内親王の歌から本歌取りしています。

たとえ露と消えて死んでしまっても、大切なものを護り通して行きたいという想いが込められた語です。

このときの勝頼の妻の年齢は19歳でした。

ーー

いまから400年前の戦国時代、現代日本人の感覚としては、日本の有史以来最も国が荒れた時代です。

けれどそんな時代にあったからこそ、男も女も必死で生きていた、しかも自分の言葉で人生を表現しそれを貫くことができた。

彼らが精いっぱい自分の人生を生きることができたのは、彼らが生を得たのが他でもないこの日本国であったからです。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>縦椅子様 本日も更新有難うございます。
>>限られた命を生きる緊迫感
何時の世でも同じでしょうが、人間は環境によって様々に変化を余儀なくされる生物です、そして、その生まれ落ちる時代・環境を決めて居るのが因果律であり、今生で出遭う人々も、魂の縁者であると説くのが釈尊の仏教でしょう。

処が、現在の世界では、こうした精神世界の自然の姿を全く知らない人類の方が圧倒的に多い、その数約45億人、世界の総人口の概数が、75~77億人だと言われていますカラ、半数以上が、実は自然現象に過ぎない生命の輪廻転生の姿を、まるで地球外生物の支配で有るかの様に信じて居る。

そう言う人は、釈尊さえも特別な存在で、恰も、超人の様に考え、扱って居るが、釈尊も、この世に生まれ落ちた一つの魂として、自然の法則に準じて生き抜き、80歳で亡くなられる迄に、ご自分が気付いた、生命の構造と法則の倫理を解き明かして、人類に遺されたのです。

私は、仏教に関心を持ち始めて40~50年経ちますが、或る時、仏教が非常に科学的な観察眼を以て成り立って居る事に気がつきました、私が教えて頂いた「自然の理」は、じぶんの身の回りで起こる事象の原因は、全て自分の言動・存在に原因している。

そして、自分が他に為した行為はその善悪を問わず、全て倍旧して、自分に還って来る、ですが、これも、物理法則で言う「作用・反作用」ですし、生物の細胞の宇宙の構造とフラクタルに出来ている事も、釈尊は華厳経の中で指摘して居るそうです。

是は、釈尊が時空を飛び越えて、様々な事象の真実の姿を教えて貰って居たからでしょう。

だから、我々も現在の生が全てなのでは無く、過去も、未来も、既に出来上がった1本の棒の様に、確定して居て、我々の本体で有る魂は、時空を超越して生まれ変わる事が出来るが、その際にも因果律が働き、親和性のある魂が集まるので、親子や兄弟となって、或いは、夫婦となって現象が顕現する。

即ち、同じ羽を持つ鳥が群れるのと同じ現象ですね。ダカラ、争いを好む人の周りに派争いが絶えないし、争いを好ま無いものも、群れるが、おうおうにしてが、おうおうにして争いを好むものの、餌食にされてしまう。

謂わば、その関係の社会しか無いのが、欧米社会なのでは無いか、昨日のフェノロサの言からそう感じますね。。

今回のお話で、最初に敦盛の歌に「自分の命を取ろうとする敵すらも、因縁現象の一つであるから、異なる時空で、場面もが変われば、親和性のある関係なのだ」と詠んでいる部分が有って、敦盛の当事の年齢を考えて、吃驚して居ます。

それは続く、勝頼の妻、御歳、僅か19歳で有った北条殿にしても、自分の生に対する執着よりも、武田勝頼の妻として、北条早雲、氏康の子孫としての誇り高い死を夫に懇願していたと言う話を聞いて、我々日本人は、日本の国土は、代々先人の魂の依代で有り、その永続性を確信している様が看て取れますね。

私も、幼い頃から、日本の国の土は、先祖の肉体で出来て居るのであり、従い、其処で育てた作物には、先祖の魂が乗っていると、教えられ、就中、米に関しては、深い思いがこもって居るので、大切にしなくてはイケないと。

文明を進化させるには、今迄持って居た常識を一旦、否定して見て、現状を観察して、新たな考え方を模索する事で、逆に是マデの常識を洗い直し、新旧の常識の得失を比較して、以て、最適な常識を新常識として試してみる。

こういう、匍匐前進的な慎重な取り組みが、最適で必須なのに、西洋流は、兎に角、革命が好きである。

現在のクズ野党の皆さんは、兎に角、現状を全否定する処からはじめなければ、革命処か改善も出来ないとお考えの様ですが、新たな案が、幾ら、理想に溢れ、画期的に思えても、現状に合わないものは、環境や人間関係を壊すだけで有る。 そして、現実性に乏しい事ばかりに拘泥して居れば、皆に相手にされ無くなるのは、当然だろう。

保守・革新とは言うが、200年以上も前の思想を、革新とは是如何に? 然も凡そ、10年以上に亘り、政体として社会実験して見て、失敗し、凡1億人のし者を出しても、その思想の誤りに気付け無い筈が無い、全て、共産主義で自分の醜い利己主義を隠蔽して居るダケの事で有ろう。

今や国民からは、彼らはただの嘘吐き集団にしか、見られて居無いのである、それは、此処が日本である事をすっかり忘れて居るか、最初から日本人の成分を全く持たない他所者なのだろう。

日本人で有る事を忘れて居る人が多いそれは、何も政治家だけでは無い、数万~十数万人の従業員を抱える大企のトップ経営者も、自身が日本人で有る事を忘れて居る人が多い。

思うに具体的な「世界」は、未だ誕生して未だ30年も経過して居無いのである、そんな現実なのに「世界の常識」とか、何の冗談かと思うが、そう言う大企業トップで作る経団連の皆さんの多くが騙されているのは、中学生でも分るだろう。

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