この研究結果でわかったのは、歩幅が狭い状態のまま年を重ねると、年齢や性にかかわらず、認知症の発症率が2倍以上になることだった
ーー以下、谷口優『たった5センチ歩幅を広げるだけで「元気に長生き」できる!』(サンマーク出版)より抜粋編集
認知症の人たちは予備軍も含めると860万人以上いると言われている。
その6割がアルツハイマー型認知症である。
ーーwikipediaによると
認知症(にんちしょう、英: Dementia、独: Demenz)は認知障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態である。
(1)アルツハイマー型認知症(この記事) (2)血管性認知症 (3)レビー小体型認知症 (4)前頭側頭型認知症 (5)若年性認知症が知られている。
認知症は犬や猫などヒト以外でも発症する。
狭義では「知能が後天的に低下した状態」の事を指すが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知障害や「人格変化」などを伴った症候群として定義される。
ほとんどのアルツハイマー病の患者では、60歳以降に初めて症状が現れる。
ーー
ところがアルツハイマー型認知症に対しては、いまだに有用な治療法が開発されていない。
国立環境研究所主任研究員(前東京都健康長寿医療センター研究員)の谷口氏は、歩幅を広げることが認知症の発症を抑制する上で有用である可能性があるという。
氏は、認知症と歩幅の関係についての発見を熱く語る。
ーー
新潟県と群馬県の65歳以上の住民1,000例超で体の動きと頭の働きの関係性に注目し「歩幅と認知機能の変化」を調査した。
歩幅が①狭い群②普通の群③広い群―に分け、最長4年間にわたり追跡し、認知機能の低下との関連を検討。
4年間追跡できた666例のうちおよそ6人に1人で認知機能の低下が認められた。
歩幅の広い群を対照にして比較すると、認知機能低下のリスクが狭い群では3.39倍、普通の群でも1.22倍になった。
ーー
つまり歩幅が狭いままだと認知症になる危険性が2倍以上になることを氏は発見したのだった。
ーー
それでさらに規模を大きくして研究したのだという。
延べ6,500例を対象に、最長で12年間にわたる追跡調査をした。
この研究では、加齢が歩幅に与える影響に加え、歩幅の変化と認知症発症の関係についても調査した。
その結果、65歳以降では加齢とともに歩幅が狭くなっていくことがわかった。
歩幅が広い水準で変化する群を対照として、中程度の歩幅の広さで変化する群と、歩幅が狭いまま変化する群を比較した。
すると、認知症発症率は中程度の群では変わらず、狭いままの群では2.12倍高くなることがわかった。
ーー
この研究結果でわかったのは、歩幅が狭い状態のまま年を重ねると、年齢や性にかかわらず、認知症の発症率が2倍以上になることだった。
ーー
また歩行速度との関係も調べたのだという。
歩行速度は、「歩幅」と「歩調」の2つの要素により決まる。
歩調に絞って認知機能低下との関連を調査したところ、認知症発症率との因果関係は認められなかった。
つまり、歩幅のみの関連が認められたのだという。
ーー
谷口氏は、その歩幅について身長が170㎝くらいの人で、65cmぐらいを考えてるのだという。
これは、横断歩道の白線をまたぎ越せる幅に相当するらしい。
ただ、膝や腰に痛みがある人や感覚器に障害がある人はもっと狭くてもよいらしい。
谷口氏は、高齢者も含めて、これまでより10cm、体力に自信のない方は5cm広げるだけで、認知機能を維持するのに効果があるという。
ーー
谷口氏はいう。
「実践してみると分かりますが、意識して歩幅を広げて歩くことはなかなか大変です」
「下肢や体幹、つまり体を正しく使えている場合には体全体にこれまで以上の負荷をかけることになります」
「歩幅を広げるだけで次のような効果が期待できます」
1、脳から足先までという人体最長の神経伝達が刺激される
2、人体最大の下肢の筋肉が賦活される
3、運動強度が上がり血液の循環が良くなる
4、血管が刺激され、しなやかになる
5、着地時の衝撃が増大し骨量を増やす(姿勢がよくなる)
6、気分が高揚する
ーー
アルツハイマー型認知症の場合、正常な状態から約20年という長い期間で少しずつ病態が進行し、移行期MCIを経て発症に至ると考えられている。
そして移行期であれば発症を先送りできたり、正常な状態に戻ると考えられている。
米国の研究では、移行期と診断された集団のうち、その後認知症を発症したのは約2割で、移行期のままとどまったのは約5割、約3割は正常に戻ったとの報告がある。
このことから、認知症が発症する前の段階であれば、認知機能を正常に戻せる可能性が出てくる。
谷口氏は、「その手段として、私は、誰もがすぐに実行できて長続きしやすい、「歩幅」に大きな可能性を感じています」という。
« 移民が急増していけば、社会の混乱は恐るべきものになる可能性があろう | トップページ | もうネット上では、在日・反日勢力が日本人に「護憲、東京裁判史観、侮日」を強制してきたことは周知されている »
「心と体」カテゴリの記事
- 歯周病治療が大腸がんの発生や進行を抑制する?(2021.04.05)
- 朝がたのくしゃみ(2021.03.26)
- いくら言論の自由であるといっても、光背が大きな釘でみ仏の後頭部に打ち込まれているという、事実にもとづかない人騒がせな妄説を提出することは、遠慮してもらいたいものである(2020.09.24)
- 男性の側から結婚を幸せなものにするための秘訣(2020.05.13)
コメント
« 移民が急増していけば、社会の混乱は恐るべきものになる可能性があろう | トップページ | もうネット上では、在日・反日勢力が日本人に「護憲、東京裁判史観、侮日」を強制してきたことは周知されている »
>縦椅子様 本日も更新有難うございます。
>>歩幅と痴呆症予防
私は一昨年、MRSAに敗血症を併発して、4カ月の入院~職場復帰~依願退職で、本格的に年金生活者になりました、敗血症の所為で、左耳を失聴、前から、糖尿病の合併症で、障害を抱えて居た左目も本格的に見え無くなり、身体障碍者に認定されました。
年金ダケでは暮らして行けないので働きたいのですが、人材登録をしても、まるでお呼びは懸りません。 当然女房が働き始めましたので、昼間は一人でPCに向かう日々になりました。
すると、精神的に落ち込むばかりなので、昨年から、土日や風雨で足許の条件が悪いとか、高温な日を除く毎日、ウオーキングを始めて、最初は月に4万歩位でしたが、次第に歩数が上がって、今は、10倍の月に40万歩にまで増えて居ます。 周りの医療関係者からも、「歩き過ぎだ」と言われて居ますねwww
お蔭で、体重が半年目から落ち始め、72~3㎏(172㎝)だった体重が、今は、64~65lgで、血液検査の結果も10付近だったHeA1Cが略正常の6,2になって、定期通院のインターバルも、2ケ月から3ケ月になりました。
私が思うに、2万歩よ言うけれど距離にすれば、一歩が50~60㎝とすれば、10~⒓k,mでしかありません、そんな距離なら、小学生の頃、毎日かたみち5kmを通学して居たし、学生時代は。サッカーやラグビーで、40㎞/日走って居たのですカラ、歩数にとらわれ過ぎなんじゃないかと思うのですがねえ。 勿論、数値が良くなったのは、歩くダケではなく、食餌療法も女房の奮闘で続けている所為も大きいと思います。
然しこの処、やはり、やや歩き過ぎの所為か、足が痛いww、足底筋が攣ったりして夜中に飛び起きたりします。 ダカラ、歩数をだんだん減らして行って、現在の15000 ~25000歩/日から、せめて涼しくなる迄、半分以下に抑えようと思って居ました。
そこへ、今日の話ですカラ、成る程「ゆっくりでいいカラ、大股で、のっし、のっしと、姿勢を良くして歩けば良い」と言う事なら、今日からでも始められますね。 時間がかかる分は、歩数を切り詰めれば良いのですカラ、当に、「渡りに船」のタイミング」だと思います。
良い情報のご紹介有難うございます。
実は、80歳になりたての友人が居て、この人も、毎日ウオーキングをやっているのですが、敗血症の所為で私もですが、腎臓のクレアチニンの数字が良くない(私は2.2位ですが、友人は言わないので多分其れより上でしょう)ので、脱水症状を懼れて、3000歩/日位で止めて居る様ですが、看て居ると、歩幅が狭い(50㎝位)ですので、すり足に近く、上下動を拾う仕組みの歩数計がカウントし無いと言って居ますから、この話を早速、報せてやりたいですね。
健康寿命を延ばす事が、医療費を下げる事に繋がる訳ですカラ、こんな私でも、社会貢献が出来ると言う事ですもんね。 其れに、痴呆症は、本人はいいですが、周りは地獄ですカラね。
幸い身内で痴ほう症を患った人はいませんが、「毎日日曜」の膨大な、空白時間を如何に、有意義に、心身ともに健康に過ごすか、と言う事は、この先の人類の大きな課題に成るかもしれませんね。
投稿: ナポレオン・ソロ | 2019年7月24日 (水) 08時24分
縦椅子様
今日も素晴らしいブログ有難うございます。
歩幅を広げると認知症を防げるということで、早速歩幅を大きくして歩こうと頑張って歩いてみました。私のいつもの歩き方だと、踵のほうから着地して、歩くんですが、そのあるきかただと、歩幅が大きくなりません。それで、つま先のほうを、出来るだけ前に出すようにして歩いてみました。するとすっーと歩けるではありませんか。歩幅も開いているようです。今までの歩き方ですと、踵のほうの靴底が、ごそっとへっていますが、この歩き方だとかかとのほうの靴底が減る心配はないし、つま先だけで歩いているような感じで、早く歩けるような感じがします。いい歩き方を教えていただきありがとうございました。お礼申し上げます。
投稿: ばら | 2019年7月24日 (水) 18時59分