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2019年7月21日 (日)

他律がアジア変容の原動力となった

ーー以下「宮崎正弘ブログ書評」より抜粋編集

岩崎育夫『アジア現代史 世界史の誕生以後の800年』(中公新書)

過去八百年のアジア史を政治思想抜きで要領よく活写している。

だからアジア全体の歩みが俯瞰できる。

ーー

おそらく著者の岩崎氏は600枚くらい書いて、それを300枚にまとめたのではないかと推測される。

削れば削るほどヘミングウェイの文体のように、短い文章の積み重ね(ハードボイルド・タッチ)となる。

ーー

アジアが世界史に登場するのは、大航海時代以後ことだと総括されがちだった。

「アジアの歴史は西洋列強による侵略と植民地化だった」と。

しかし岡田英弘、宮脇淳子夫妻が、モンゴルが世界史を造ったと述べて以来、大きくその認識が変化した。

ーー

アジアにおいては、東西文明の衝突があって、西洋列強の侵略と日本の進出時代を経てアジア各国の宗主国に対する独立戦争が起こる。

そして独立したアジア諸国は、開発独裁によって経済発展する国と、そうでない国に別れた。

近世から現代までのアジアの歩みを著者は次のように纏める。

ーー

「アジア史は内部勢力と外部勢力のぶつかりあい(であった)」

(外部勢力のアジアへの侵入や到来)

「(アジア史は)内部勢力の政治自立や民衆文化を維持するベクトル(自律)と、外部勢力の支配と変容を促すベクトル(他律)の相互作用(相克と協調)で動いてきた」

「が、二つが衝突したとき、ほとんど外務勢力の方が勝ったので(とりわけヨーロッパ勢力のそれ)、他律がアジア変容の原動力となった」(P239)

ーー

こうした見方が、著者のアジア史を俯瞰する基軸にある。

ところが近年、経済的躍進を遂げて、南シナ海を壟断し、巨額の援助とともに影響力を富ませてきた共産支那が新しい価値観(ベクトル)を持ち込んだ。

共産支那は、アジアインフラ投資銀行AIIBや一帯一路そしてアジア共同体を周辺諸国に押し付けだした。

そして今やアジア諸国で、旧来の欧米列強による価値観の押し付け以外に、共産支那による価値観の押し付けの激突が深まりだした。

ーー

「援助や開発資金の提供など経済でも(共産支那の)積極的な狙いは、支那主導のアジア経済圏の創出(である)」

「これは册封体制と朝貢貿易の『現代版』に相当する」(P252)

ーー

アジア各国の近代史を客観的に俯瞰しているので、たとえばカンボジアの現代史は次のような描写となる。

「(カンボジアはフランスからの)独立後の約40年の短期間に、国王独裁、軍政、原始共産制、親ベトナム政権、立憲君主国というジグザグの道を歩んだ」

「が、混乱の最大の原因は、小国ゆえに自立性を発揮できなかったこと(にある)」

「カンボジアを取り囲むベトナム、支那、アメリカなど地域内外の大国や強国の影響をもろに受けたことにあった」(P184)

ーー

そしてカンボジアは、一旦立憲君主国に返ったあと、いまもフンセンの独裁体制が続いているのである。

フンセンの独裁を協力に後押ししているのは、共産支那であり、いうまでもなくフセインは親支派である。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>縦椅子様 本日も更新有難うございます。
>>見直される東南アジアとその歴史
 この試みは、現状の世界情勢や近未来に他所される東南アジア経済圏の経済躍進から、非常にタイムリーなモノだと評価できると思います。

 正確に言えば、東南アジアと南アジアなのですが、どちらも、英国と蘭国の東インド会社が、大きな枠割を担って居るのは、近代は、政治と経済が不可分であると言う実例の様なものでしょうね。

 どちらも、植民地の開発資金を融通する代わりに、植民地の土地と労働力から上がって来た産品を、地球を半周する航海と言う大きなリスクを背負って、欧州に運び、売り、起って来る、その消費要請を汲み取って、新たな産品の開発を行う、と言う現代の総合商社の原型の様な活動をして居たと、思われます。

 ダカラ、白人文明には珍しく歴史事実を重視して、細かい戦略や、時には汚い謀略を凝らして、現地の王族を騙して、その支配権を事実上簒奪して、彼らは。商売だけでなく政治的にも、狡猾な謀略に長けた集団になっていったのだ、と思いますね。

 この「帝国主義と」言われる「侵略植民地主義」は、根底に実は、人種的劣等意識があり、その反動としての白人優越主義があるが「自分達と違うものは同じ人間として認めない」と言う差別肯定的な考えは、キリスト教やユダヤ教の「異宗教、異民族は、自分達を脅かす悪魔である」と言う、民族宗教なら当然持って居る「排他主義」の主教を、唯一の道徳律にして居たからで有ろう。

 明らかに、民族宗教なのに「世界を救う宗教」として、イエスズ会が命懸けで布教活動をして、結果世界に現在20数億人の信者を持って居る事実を見ると、何より騙されて来たのは、欧州人そのモノだったのでは、無いだろうか。

 命懸けで布教活動を行った彼らへの「布教の報酬」とは、何だったのかを知りたいのが正直な処ですね。

 金や女と言った現世的なモノなのなら論外ですが、宗教組織内での栄達と言うものでも、「私利私欲」の誹りは免かれないでしょうし、キリスト教やユダヤ教の死後の世界は、天国・地獄があっても、その具体的な「掘り下げ」は行われて居ませんね、最後の侵犯は、誰に拠って、何時、どの様にして下されるのか

 この辺りの宗教的深度が、そのママ、白人の歴史の浅さを表して居ると言って宜しいでしょう。 いずれにせよ、此の未熟な宗教で、東南アジアや宗教大国のインドを、その道徳観で支配出来たというのは、私は、俄かに信じがたい事です。

 然し、欧州勢力が去った後に、其の2つの宗教と同根乍、祖の宗教を否定しているムスリムが、この地域を覆ったのは、宜無き事と理解できますね。 然し、ベトナムやミャンマーそして、カンボジアも、共産主義に覆われて、未だに、独裁色の濃ゆい祖の政体が続いて居ます。

 こうした現象を、民族的に見ますと、赤化したのは、クメール族と言う、旧スンダ・ランドの山岳民族で有ったと思しきインドシナ半島に棲んで居る、サンスクリット系の言葉と文字を使う民族で、アーリア人が創った宗教大国のインドとは、一線を画すものと思います。

 共産主義化した国々は、欧州勢力のキリスト教のs辞意教圧力に対する反発が、大きいと私は看て居て、亦、クメール族の中でも、建国独立心の強さと言う意味では、インドネシアと並び立つベトナムが、共産主義化し、インドネシアが、ムスリム化しているのは、植民地支配した欧州の、フランス(ベトナム)とインドネシア(オランダ)の差なのかもしれませんね。

 共産主義思想は、人間の想像力を現実化する能力を否定しているし、その経験知の蓄積も否定しているので、反文明的だと言えるでしょうが、歴史で生じた既得権や権力に胡坐を書いて、社会から富を収奪している政体にとっては、破壊者で有り価格明者で有りましょうが、ただそれだけの事です。

 ベトナム人は、今、日本の先進技術が、人間が伝える伝統技術や。精神に拠って支えられている事を知って、其れwp学び取ろうと、日本にやって来て居ます。 彼ら賀シナ人の様な、自身の股肱を凌ぐ為だけの日本の技術習得で無く、日本を起点に自分の国の独自技術を自ら、開発して。世界に伍せる国にならんとして居るのなら、今後のベトナムは注目に値するでしょうね。 

 政体は同じ共産っ主義体制なのに、非シナ圏だし、シナの様な、モラル無き技術窃盗国家でも無い、庶民の考え方も真面目だが、インドと同じく、親ロシア的な勢力が内部に存在している事だけが気がかりだが。


 

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