あれは陛下のクーデターではなかったのか?
ーー以下「宮崎正弘ブログ、加瀬英明コラム」より抜粋編集
平成が200年ぶりの御譲位によって、終わった。
4月1日に、万葉集から採られた新しい元号が発表された。
元号を支那の漢籍ではなく、国書から採ったことは、何よりもうれしい。
ーー
先帝は3年前(平成28年)の8月8日に、テレビを通じて「高齢のため譲位したい」とのお言葉を読まれた。
あれは陛下のクーデターではなかったのか?
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私は月刊『WiLL』誌に、「お言葉のなかで、皇室典範が定めている摂政制度を斥けられたが、天皇が法を改めるよう要求されることは、あってはならない」と、寄稿した。
取材にきたNHK社会部記者に、私は「どうして護憲を日頃説くNHKが、憲法違反のお言葉を放送したのか」とたずねたが、答がなかった。
ーー
日本国憲法が、1947(昭和22)年の占領下に占領軍によって強制された「占領基本法」であることを、今や知らない日本人はいない。
従って、当然日本が歴史を通じて守ってきた伝統を歪めている。
日本国憲法は、主権が国民にあるとし、天皇を日本国の象徴であるとして、国民の下に置いたのもそのひとつである。
ーー
国会は平成29年6月に日本共産党を含む全会一致で、「天皇退位などに関する皇室典範特例法」を可決した。
国会が天皇が日本国憲法(占領基本法)の上にあることを、認めたのだ。
譲位を「退位」と呼んだのは、天皇の御意志による譲位を、占領基本法が認めていないからだ。
ーー
しかし先帝は、平成28年8月8日のお言葉によって、「占領基本法による象徴天皇制」を一撃で破壊された。
その後、お言葉のなかで護憲派の反発を招いて、国論が割れないように、「象徴天皇としてのありかた」に、頻繁にお触れになられた。
このようにして占領憲法に罅(ひび)が入ったのだった。
令和の御代に占領基本法が真の「日本国憲法」に改正されることを、強く期待したい。
(かせひであき氏は外交評論家)
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コメント
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>縦椅子様 本日も更新有難うございます。
>>先帝陛下御一人の反乱
う~む、代表的な保守の論客とはいえ、元は外務官僚で法律に明るく、極めて客観て¥来なご意見をお持ちの加瀬さんのご意見ですカラ、傾聴に値すると思いますが、凡庸な私には、陛下は、正直にご自分のお気持ちを吐露為されたダケの様に感じました。
逆に是が「反乱」と表現される様な憲法であれば、其れは、国民が持って居る皇室への思いとは、全く異なるものであると言うしかない。
例えば、昭和帝の薨去の事を思いだすと、昭和63年の5月ごろから、ご容体が芳しくなく入院為された、国民は知らされ、陛下のご高齢(88歳)の事を思うと、不敬乍ら「愈々かな」と、云う気は正直ありました。
然し、その裡、陛下のご病気が、消化器系統のガンである事が、明らかにされ、外科手術に拠る切除は、却って宜しくないと言う話でしたが、陛下の下血は止まらず、主治医は、寧ろ、新鮮な血液を輸血する手段を選択して、陛下のAB型の血液を集める為に、全国の若い自衛隊員が、毎日輸血をして居ると言う報道がありました。
私はこの時に疑問に思ったのは、輸血をすると言うのは、本当に「治療」をして居るのだろうか? と、言う事でした。
つまりは延命が主体なのではないのか、だとしたら、誰、℗責められはしないが、不治と分っていても、毎日血を取り変えると言う、大変な苦痛を伴うに耐えるしかない陛下が御気の毒でしたね。
象徴天皇なのに、自分の意思を言葉にしたら、憲法違反だと言われるのに、謂わば、唯の飾りなのに、何故、此処まで貶められねばならないのか、というのが、正直な気持ちでした。
ですから、翌年の1月7日の払暁に、陛下のご薨去が報道された時に、先ず、「やっと、終わりましたね・・と、後は、号泣して居ました。
こうした、ご最後を、市井の国民の私でさえ知って居たのですカラ、ご自分の肉親が、この様な「悲劇」とも言うべきご最後を目の当たりにさせられたら「象徴天皇でも、唯の飾りでは無く人間だ」と、言いたくなったのかもしれません。
健康上の理由であれば、 ですが、上皇陛下は、其れをギリギリまで仰せにはなりませんでした。 オソラク、昭和帝に殉じて、ご自分も、非人間の様な扱いを受け乍ら、死ぬのだろうと思し目になられて居たであろうと思います。
もし、本当に健康上の理由なので有れば、天皇陛下は前立腺がんで大きな手術を、焼く5年ほど前に、受けられています、もし、転移があれば、平成の御代は15年足らずで終わって居たかもしれません。
ですが、陛下は後に続くモノの事を、考え始めたのだろうと思います、と言うのは、今上帝も決して頑健だとは言えないお体で、来年は齢60歳になられます。
すると、令和時代が、平成の様に30年続いたとして、今上帝は90歳です、疎の様な御歳になられても、天皇陛下のご公務を続けて行かねばならないのかと思うと、居ても立っても居られない、お気持ちになったのでは、あるまいか。
其れに、病弱な皇后陛下が、口には出しませんが、相当に無理をして、自分について来て居る事もご存じでしょう。 皇后陛下は、若い頃からの御病気で、神戸に在る専門医にお忍びで通って居らっしゃる事は公然の秘密でした。
文字通り歯を食いしばって、御役目を果たして居るのを、ご存じなだけに、しのびないお気持ちもあっただろうと思います。
つまりは、上皇陛下は、ご自分よりも、ご家族で有る、今上天皇陛下や、皇太后陛下を護りたかった。
そういう、人間として当然の思いを、現行憲法を守って居ては、家族も護れない事に気が着かれ、ご自分は如何なる評価を受け、批判に晒されようとも・・と言うお気持ちで、平成28年8月8日に、ご譲位の意思表示を発表されたのだと思います。
この様な、思慮深く英邁な君主が、世界に2人とあろうか、このご決断を批判するものを、私が決して許さない。
投稿: ナポレオン・ソロ | 2019年5月12日 (日) 16時45分
>>この様な、思慮深く英邁な君主が、世界に2人とあろうか、このご決断を批判するものを、私が決して許さない。
この言葉を発した心情を、私も苦しいほどに共感せざるを得ないでしょう。
簡単に申せば、「ふざけんな、所詮、官僚上あがりよ!馬脚を現したな!!」という気分でございます。
申し上げたいことは既に、ソロさんが大方表現されておりましたので、感情の吐出しのみで、失礼いたします。
投稿: 日本国民 | 2019年5月12日 (日) 18時26分
縦椅子様、ブログの更新をありがとうございます。
毎日読んではいるのですが、なかなか投稿できていません。
>あれは陛下のクーデターではなかったのか?
上皇陛下は、クーデターなどとの発想をお持ちでないと思います。
私には、ひたすら象徴天皇の理想を模索されてきたように思うのです。
そして、天皇としてのお勤めを、体力的に出来なくなってきた近年、これを完全に出来ないとして、選ぼうとされた道が「譲位」ではなかったでしょうか。それなのに、これが「退位」とされたことには、大きなショックを受けられたと思います。
いかに占領下に定められた憲法といえども、「譲位」を「退位」とされたことには、お気の毒としか言えません。
今日は、女性天皇が「天皇」を辞められるときの用語には、「譲位」とされていたことを知り、上皇陛下は本当にお辛かっただろうと思いを深くしました。
それから、上皇陛下の健康についてですが、ソロさんは前立腺がんのことに触れていますが、私は心臓病のことが気がかりです。
2012年3月、陛下は冠動脈バイパス手術を東大病院でお受けになりました。これは、同病院で実施した冠動脈の造影検査の結果、血管が狭くなる狭窄が2カ所あったため、医師団が狭心症と診断したもので、手術が適切と判断したものです。
この時、陛下に対する手術については、開胸式と心臓カテーテルによる方法があったのですが、医師団は開胸式による方法を選択しました。
私は、陛下には最新式で最高の医療を、していただきたかったと思います。開胸式の方法では、神の手だと医師のことを持ち上げていましたけれど、術後の回復に期間が掛かりますし、痛みも胸を開くですのから強いと思います。お気の毒でした。
この手術の後、陛下はお顔の浮腫が強いように思います。その他にも、恐らく具合の悪いこともあるのではないかと思うのです。
やっとの思いで譲位されたのですから、これからは健康の維持に十分の注意をしていただき、何時までもお元気にしていただきたいと思います。
投稿: ポッポ | 2019年5月12日 (日) 19時28分