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2019年5月 1日 (水)

人を知らない人の作った世界は人の身体にも精神にも適しない

ーー以下「伊勢雅臣コラム」より抜粋編集

安岡正篤『人間を磨く』より

多くの政治家や財界人の指南役を務めた安岡正篤(まさひろ)のこの本は和洋中は言うまでもなく、世界の叡智ともいうべき言葉を集めている。

昭和63(1988)年に出版され、このたび致知出版社から『安岡正篤活学選集全10巻』の一巻として再刊された。

これを読むと、人間の本性は変わらない、と改めて痛感する。

ーー

「西欧の大部分の人間にとって(は)無意味な読物、音楽鑑賞、映画見物などが病癖になって(いる)」

「多くの男女が、もし数日否(いな)数時間でも、新聞や映画やラヂオを奪られたら、実際には苦痛を感じるほどになっている」

ーー

これはオルダス(Aldous)・ハックスリー(20世紀中葉に活躍した英人)の指摘だ。

「無意味な読物、音楽鑑賞、映画見物」にゲームを加えれば現代日本人にそのまま当てはまる。

ーー

そしてハックスリーら知識人は「無意味な読物、音楽鑑賞、映画見物」などは人間性喪失をもたらす、と危惧した。

1912年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランスの生物学者アレクシス・カレルは次のように言った。

ーー

「人は却(かえ)って自ら創った世界の異邦人 a stranger in the world である」

「人は自分の本質に関する真の智識を持たなかった為に、この世界を自分の為に作りあげることができなかった」

「人を知らない人の作った世界は人の身体にも精神にも適しないものであった」

「これは不幸である」

ーー

例えば、人は平等を夢想して、共産主義を考え出し、数億人の犠牲者をうみだした。

また相対性理論は、核兵器を作り出し人類を滅亡の危機へと導いている。

さらには地球主義が欧州に移民を呼び込み、テロを蔓延させ欧州をテロの危機に陥しいれた。

ーー

欧米人が夢想した、科学的真理や自由や平等は、相対性理論や自由主義、共産主義となって、逆に人々を苦しめることになった。

そして医学の進歩はただ長生きする人を大量生産している。

それについて(独)劇作家 H・オイレンベルクは次のように述べる。

ーー

「良い葡萄酒は年を経て始めて澄んで味が出てくるように人は晩成せねばならぬ」

ーー

人は、長い安逸の生をただ退屈しながら過ごす、という事では少し物足りないというべきなのだ。

安岡は良き老い方について次のように述べる。

ーー

「我々人はとくに肉体の老衰には敏感である」

「案外精神の老袁には気づかぬものだ」

「気づいても当然の事として、反省したり、振起する努力を怠る」

「学問や芸術や信仰に情熱を抱き続けることが不老の秘訣なのである」

「情熱を抱き続ける老人こそ、不老の特権階級である」

ーー

「これから後は「老い先の短い」ではなくて、「老い先の長い」老人達がどう健勝(祥)を保つかが問題であろう」

ーー

エジソンの言葉はこうだ。

「人は七十になって、日を過すのに、退屈心を覚えるようになれば、それはその人が若い日に興味を覚ゆべき無数の事物を閑却しておった証拠である」

学問にしろ芸術にしろ、一朝一夕に成るものではない。

だからこそ安岡は言う。

「有名な鎌倉彫の元祖がその子孫に残した名言がある」

「志業はその行詰りを見せずして一生を終るを真実の心得となす」

「不肖(私)も生ける限りは、その行詰りを見せずして、よく勉強したいと念じておる」

ーー

「行詰りを見せずして」とは、その芸が年とともに深まっていく事を言うのだろう。

「良い葡萄酒は年を経て始めて澄んで味が出てくるように人は晩成」することができる。

この「晩成」という言葉について、致知出版社の月刊誌『致知』最近号の巻頭言で、JFEホールディング特別顧問・數土(すど)文夫氏が次のように語っていた。

「『老子』に大器晩成という言葉があります」

「一般にも馴染み深い言葉で、年齢を重ねて頭角を現してきた人を指して、あるいは、なかなか真価を発揮できずにいる人への期待を込めて、「あの人は大器晩成だ」という使われ方をしています」

「しかしながらこうした使用例には、大器は成るのが晩(おそ)く、いつまでも完成したようには見えないものであるという、本来の意味合いが抜け落ちているようです」

ーー

これは、良い葡萄酒が、いつまでも熟成し続けるのと同じだろう。

短期的な利益や効率ばかり問題にしていては、熟成するつまり大器にはなれないのだ。

ーー

とはいえ、若い頃は仕事が忙しくて、とても学芸などに時間を割く余裕はない。

この点でも古人の叡智は抜かりない。

本居宣長は次のように詠んだ。

なかなかに 遊ぶいとまは ある人の いとまなしとて 書読まぬかな

宣長は35年かけて『古事記伝』44巻を著した。

昼間は医者としての勤め、夜は弟子たちに古典の講義を行い、その暇(いとま)に古事記伝以外に三十六種九十八巻以上の著作を残した。

ーー

安岡も、自らこう述べている。

「外出から帰宅したら、帽子もオーバーも着けたまま書斎に直行して調べものをすることがよくある」

「そういう時は、風呂に入り、和服に着がえ、くつろいで一杯やってからではだめなのだ」

「僕のことを天才だなどと言う人があるが、それは違う」

「不断の努力だ」

「鈍才なのかも知れない」

ーー

もっとも、一つの道を追求するのに、「鈍才」は障害にはならない。

「大教育家のぺスタロツチは鈍才少年であった」

「ニュートンやダーウィンも同類」

「そもそもナポレオンにしてからが、兄弟八人中一番出来の悪い少年であった」

「世の鈍物魯生( 鈍い人)よ、安心して発慣せよ」

ーー

「不断の努力」は、鈍才を乗り越える。

ドイツの詩人フリードリッヒ・フォン・シラーは言った。

「生命を賭してかかるのでなければ、いつになっても生命を我がものにすることはできぬ」と。

ーー

宣長は、「真の学問は人々との対話の中から生まれてくる」という。

宣長は、有名な「松坂の夜」で一度だけ対面した賀茂真淵から『古事記』の研究を薦(すす)められて志を固めたのだった。

それ以来、古事記の研究に没頭し、死去した頃の門人は487人に達していたという。

ーー

「だからこそ普段から善い人、善い教え、善い書物などには縁を結んでおくことが勝緑・善緑になる」

ーー

もう一つ、味わうべきは安岡の次の言葉である。

「人間を動かすのは、長ったらしい論文ではない」

「くどくどといくら説教しても、人間は更生しはしない」

「片言隻句で足りる」

「生きた苦悩から、智慧を悟り、精神の叫びに謙虚に耳を傾ければ、見識が養われる」

ーー

人が生きた苦悩を体験し、智慧と見識を得て、それを人に語る。

学問の原初の姿がここにある。

安岡が「片言隻句」を渉猟して、この『人間を磨く』を編んだのも、この考えからであろう。

ーー

アレクシス・カレルは、「人を知らない人の作った世界は人の身体にも精神にも適しない」として、これが「国民や国を弱体化する」とした。

そして、その解決のためにこう述べる。

「此れを救う犠性的努力は決して英雄や聖人のみに存する徳ではない」

「それは万人によって実行されねばならぬ」

「それは人の生命の厳しい法則である」

ーー

安岡は、この説明を、「我々の一燈照隅・万燈照国に対する実に好い註釈ではないか」と評している。

日本の天台宗の開祖・最澄の「一燈照隅・万燈照国」とは「一つの灯火は一隅しか照らせないが、そのような万の灯火が集まれば、国全体を照らせる」という意味である。

一人ひとりの力はわずかでも、万人が力を合わせれば、国全体を明るくすることができる。

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コメント

>縦椅子様 本日も更新有難う御座います。
 皆様、令和改元、おめでとうございます。
>>安岡正篤先生
 私も若い頃、安岡先生の本に出遭い、爾来ものの見方が変化しました。 

 就中、「果を得る為に学ぶべきでは無い、その通りにやったとしても、その果を超える事は出来無いが、志や努力の仕方を学べば、その果を違う分野で成し遂げられる」と言う考えで、更には「全ての優れた書物は、人間の中に眠って居る理性を呼び覚ますヒントを与える為にある」と言う事だと思います。

 人間がこの世に生きる事を許された時間は、100年に満たない時間に過ぎませんが、人間が積み重ねて来た歴史は数十万年です。 その膨大な経験知と言えるものが、歴史であり鮮人我後世に残そうとした、メッセージなのです。

 何の為に? 其れは、人間の無意識の行動には、遺伝子の力が働いて居ると言うろんぶんを書いた、リチャード・ドーキンスと言う英国の生物学者が居ましたが、その遺伝子が目指して居るのは、終局、種の繁栄なわけです。 

 だから、その人類の経験知の集積である歴史を否定し、人間を蟻や蜂の様な集団を作って子孫を繁栄させるダケの生物に戻そうと言う、共産主義は、人類を公平で平和な社会を実現などはしない事は、既に、幾度も実験の結果が出て居る事で、寧ろ、滅びに向かわしめる、悪意の陰謀思想だと思うのです。

 処が、人類の大半は、未だその日を生き延びる為に、全力を尽くさねば、死に絶えて終う様な、過酷な経済環境に置かれています。 是では、文明は寧ろ、彼らにとっては、害にしかならないのではなかろうか。

 文明が齎す恩恵の一つである、人生の「ヒント」を貰えるような書物に触れる機会を得る事が出来無い、マトモに、小学校にすら通えて居ない子供達が、世界に何と多い事か、人類は、まずここに、光を当てるべきではないだろうか

 世界の先進国で、日々を退屈に過ごして居る人達は、自分に与えられた時間が如何に贅沢なものかを自覚しなくてはイケないでしょう。 「無駄にした時間は、必ず、復讐する」とは、ナポレオンの言葉です。

 では、時間を無駄に過ごさない為にはどうしたら良いのか、否、抑々「無駄な時間」とは、何なのか、と言う疑問に答えなければなりません。

 極論すれば「他の為に時間を使う事が有益で、自分の為だけに使うのは無駄である」と言う事です。

 是は、蟻や蜂達を見て居れば分りますが、目的が「種の繁栄」に特化した社会では、役割分担が極めて厳格に行われて居て、全ての組織の構成員は、天が定めた自分の課せられた機能に従い、組織の為だけにその命を消耗して居ます。

 然し、其れで生み出せるのは、「種の繁栄」だけ、蜜を蓄える蜜蜂も、謂わば、他の生物の食物を生産して居る様なモノでしょう。 蟻は、自然の貴重な役割である、動物の死骸を生体消費して、土に返す役割を担って居ますから、是も、神のお仕組みの一つなのでしょう。

 こうした働きを以て、自然界の食物連鎖を形作って居るので、例えば蟻の様な働きをして居る生物は、他の分野にも沢山います、その中には環境を清潔に保つように、動物の排泄物を食物にして、生体消費する事で、土壌に無害な形にして居る昆虫や微生物もその存在が知られて居ます。 

 斯うした自然を観察すれば、神がお仕組みになられた自然は、自己完結する様に、予定調和と言う思想で成り立って居る事に気が着きます。

 我々もその予定調和の仕組みの一員でしかないのですが、では、我々人類は、その仕組みの中で、どの様な働きを期待されているのでしょうか。

それは、世界を平和に保つ事で有りましょう。 

 「人類は700万年も昔からの生存競争の照射である」と言う考え方があります。 然し、逆に言えば「多寡高1千万年にも足りない地球の生物の歴史の4億年の1/40以下ではないか」とも言えるわけです。

 然し、人類は、地球を造り変える様な科学文明を僅かな時間で、創り上げた。 その時間とは、200~300年だと言えましょう。 是は、明らかに神が人類に与えたメッセージであると解釈すべきです。

 然るに、今の人類に足りないのは、已然として、生物が持つ、利己性と言う「桎梏」です。

 相対的に優位な立場に立てば、途端に、暴君に豹変したり、自分達の容姿が優れて居るのを理由に、選民主義で他の民族を家畜扱いにしたり、弱い立場に在るモノを苦しめて、自分だけ贅沢な暮らしをしたりする事を目指して、不正な事をやったり、人を騙したり、剰え人を殺めたり、自殺に追い込んだりするが、結局は100年の命、そして残ったのは一握りの遺灰と悪名だけと言う人生に、何の価値があろうか。

 難しい事を色々言いますが、本当に大事なのは、人の評価では無く自分が如何に「お天道さまに、恥じない一生を送ったか」なのです。 ダカラ、「人生を論じるに永い論文は不要で、寧ろ、片言隻句の俚諺や警句の方が、重要なのです」と言う事に成るのでしょう。

 人類は、神が人類に与えし、科学文明と言うアドバンテージを如何に、地球の為に、共に生きる生物の為に使えるかを、試されて居る最中なのです。 つまりは、その使い方を見られている。

 例えば、生物を幸せにする事が、その余命を徒に引き延ばす事でしょうか? 数億人を一瞬にして殺害するダケで無く、神が仕組まれた自然を全て無くしてしまう様な、核兵器を何故、無くそうとしないのか、全て、利己心の存在が、心の桎梏になって居るカラでしょう。

 お互いの猜疑心は疑える智慧は有っても、誠意を信じる度量も、その信頼を共に、護っていこうと言う「利他愛」が未だに持てないでは、人類は愛想を尽かされます。

 人類と言う生物種を殺すのは、いとも簡単で、各種ありますが、一番手っ取り早いのは、地球上の空気の組成を一時期変えてしまう、或いは、空気の薄い膜をはぎ取って終うと、瞬時に、地球の人口は1/10~1/100に、3日も続けば、嫌気性の生物を除けば、殆どの生物は居なくなりますね。 地球は斯うした大絶滅をこの4億年に既に4回もやって居ます。

 神が居るとして、その蓋然性が居貯万高いのが自然の法則を創り支配している存在です、人間が野の存在を指すて、神と呼ぼうが, Something great と呼ぼうが関係なく、人類他、生物が地球上で繁栄できる奇跡を支配している存在の気が変わったら、人類等、ものの数でも無い事を自覚すべきです。

「・・・我々は、アメリカの衰退を止める。エリートはこの下降傾向の
中でぬくぬくと金儲けをしているが、これをひっくり返す。国民として。
ポピュリスト・ナショナリスト的な保守派のグループとして。
そして、この国を再び偉大にする。この国を再び良くし、世界をもっ
と安全で繁栄した幸せな場所にする。」
                            ―スティーブ・バノン

トランプも、日本の安倍首相もこの方向に動いている。

5月の欧州会議に向けて活動するためにバノン氏はトランプの元を
離れ渡欧していた。

「…世界をもっと安全で繁栄した場所にする…」
             ・・・この志しがある限り、神は味方しましょう。

悪も善もひっくるめて、人類は全て神の分霊であるからして、決して
見捨てられはしません。なにせ、自身そのものなのですから。
肉体はあくまでも修行内容に則したコスチュームでしかありません。
その前提の記憶を全て消してこの世にいづることで、本性を晒し、
必要な修行内容に身を投じるだけの事。

切磋琢磨するのか堕落するのか・・・、それでも神の愛は注がれて
いる。
悪しき者、善き者、それぞれの成長に合わせた愛が注がれます。
不公平なぞ一切ありません。

他人を差別し迫害した者は次の来世では、差別され迫害される立
場を自ら選択し、この世に生ずる。その前提の記憶がないがため、
理不尽さにのた打ち回る。

霊性高き者は、自ら不利な肢体を選択しこの世に生ずる。
負荷を自らに掛けるためである。

残念なことに、地球上では前者が圧倒的である。
それを何度も繰り返すことによって、魂の成長を自ら促す。
その後、いつか「利他愛」に辿りつく。

 令和改元の祝いのことばに代えて、善き時代への真のスタートで
あらんことを祈念いたしたいと思います。

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