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2018年7月12日 (木)

ロシア製武器輸出が激減して初めて、ロシアはその重大さに気付いた

ーー以下「宮崎正弘ブログ書評」より抜粋編集

廣瀬陽子『ロシアと中国、反米の戦略』(ちくま新書)

ロシア人は支那人を生理的に嫌う。

それが、なぜ、ロシアは支那との親密ぶりを見せつけなければならないのか。

本書は、そのロシアの深層心理を抉り出して見せてくれる。  

ーー

「欧米との対峙という側面では、支露関係は極めて緊密に見える」

「しかし、それほど単純なものではないのが実情だ」

「それぞれ大国意識が強く、両者間には、勢力圏争いともとれる動きがしばしば見られる」

「ロシアは支那の勢力圏拡大およびロシア勢力圏の侵害を警戒している」

ーー

第1は勢力圏をめぐる攻防である。

支那はカネにあかせて、ずかずかとロシアの中庭へと土足で侵入してきた。

支那はカザフスタンとウズベキスタンへ巨額の投資をおこなっている。

が、ロシアにとって両国は旧ソ連のメンバーであり、不愉快な事実である。  

プーチンは中央アジア諸国への支那の進出を『ロシアの影響圏侵害』と認識している。

「(すでに)許容範囲を超えた」と。

「(しかし)今のロシアには支那に対抗する力はなく、黙認せざるを得ない状況にある」(p219)

ーー

じつは2011年頃からロシアの支那警戒は高まりをみせていた。

ロシアは支那の一帯一路(シルクロード)に対抗するために鉄道の「南北縦貫回廊」の建設を始めている。

ーー

ロシアからイラン、アゼルバイジャンを結ぶ経済回廊であり、さらにパイプラインを、その先のジョージアからトルコへ敷設することで、プーチンとエルドアンは合意している。

ロシアを中枢としてフィンランドまで結ぶと、「(支那の)『シルクロード鉄道』に代替しうる新しい欧州へのルートが生まれる」(p85)

というのがプーチンの思惑である。

ーー

第2は軍事技術をめぐる攻防である。

ロシアはこれまで軍事技術を米から盗む側だった。

それゆえ盗まれる側になるとは想定していなかった。

支那に技術を盗まれてロシア製武器の安価な支那製模造品が世界を席巻した。

そして、ロシア製武器輸出が激減して初めて、ロシアはその重大さに気付いたようなのだ。

ーー

ロシアは「プーチン訪支直前」に「支那人通訳を逮捕した」と発表した。

約一年前に「ロシアのS-300地対空ミサイルの機密文書を盗もうとした」として、ロシア連邦保安庁が逮捕したと。

これは、もう支那人には、軍事技術は盗ませないというプーチンの意思を示したものだった。

ーー

支那・ロシアの間に武器輸出を巡って衝突が起きた。  

「支露間で結ばれた基本合意で、48機のスホイ35を40億ドルで売却することになった」

「その際に、ロシアは支那がリバースエンジニアリングによる機体のコピーを行わないように法的な拘束力を付加する」よう求めた。

しかしその要求は、支那によって拒否され、交渉は纏(まと)まらなかった。

ーー

というのも、支那はスホイ27をコピーし、ロシアに莫大な損害を与えていたからだった。

支那は、ソ連時代にソ連製武器を作っていたウクライナの武器産業に接近し、ミサイルや戦闘機のエンジンを手に入れた。

ウクライナは空母も支那に売却している。

支那はカジノホテルに転用するなどと偽(いつわ)って、旧ソ連空母をポスボラス海峡を越え、大連へ運び、支那初の空母『遼寧』に改装し進水させたのだった。

「艦載機」についても、殲滅15(J―15)を製造したが、これは「2004年に支那がウクライナから取得したロシア戦闘機スホイ33」の無許可コピーであった。

ーー

支那は独自の技術で開発、製造したと嘯(うそぶ)いたが、だれも信用しない。

ーー

「ロシアとのライセンス契約により、1998−2004年に105機が組み立てられたスホイ27―SK(殲11)には、当初、Al―31Fというロシア製航空機エンジンが装備されていた」

「が、06年に支那の航空機製造持ち株会社が、それにかなり近い性能を持つエンジンの開発に成功した」  

これによりロシアの航空機産業は甚大な被害を蒙り、支那に正式に抗議(p173)している。 

ーー

旧ソ連は、水蒸気式カタパルトが製造できず空母設計には失敗したといわれている。

その失敗作「遼寧」で、支那は、「旧ソ連戦闘機スホイ33」の無許可コピーで発着鑑訓練を繰り返しているものの、年初来、着鑑に失敗し続けている。

パイロットの死亡事故は、明らかになっているだけでも四名にのぼる。  

ーー

著者の廣瀬陽子・慶應義塾教授は、カフカスとロシアが専門の研究者で、しばしフィンランドで研究生活をおくっていた。

この著書は、二年ぶりの新作であり、支露のあぶなっかしい緊密ぶりを「離婚なき便宜的結婚」と表現し、打算だけのその関係に鋭いメスを入れた。

ーー

ドナルド・トランプ氏が、対支包囲網G7に、ロシアを加えようとしている事情がよくわかる。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>縦椅子様 本日も更新有難うございます。
>>シナとロシアの関係
 同じ共産国だったのですが、両国の関係はスターリンの死後急速に悪化して、アムール川(黒竜江)沿いの国境付近で、領土争いを起し、一触即発の危機もありました(珍宝島/ダマンスキー島紛争)が、ソ連の崩壊~ロシアの誕生と言う変化の一方で、70年代の米中国交回復~対ソ防衛側で米国との経済的なつながりを得て、シナが経済的な急成長を遂げると、力関係は、次第に逆転して行ったのですが、ロシア人の人種的偏見が、警戒感を低次元なものに止め、目先の金欲しさに、シナを東欧諸国と同じ様なつもりで、種々の武器を売却する「=軍事機密を売り渡して居る」と言う、国家として致命的なミスを犯して居る。

 しかも、売り渡した軍事技術以上の武器を造るだけの技術力や工業力が有ればの話だが、ロシアには、今も昔もそのような力は無い。 つまり、自身の力も、良く分って居ないと言う事だろうが、自国の力では、マトモな車一台、TV一台作れない現実を顧みて居ないのは明らかでしょう。

 その上、シナや朝鮮族に、約束など通じるわけが無いのに文書を取り交わしたから大丈夫と思って居るのは迂闊にも程があるだろう。 彼らが約束を守らない民族なのは、歴史を深く知れば、直ぐにわかる事だが、シナには、日本を始め多くの国が文明国だと騙されて来たのだカラ、是は止むを得まい。 

 彼らには相手の事を慮ったり、信義を重んじる様な道徳心は無い、良くシナの古典にある文明的な要素を取り上げて、シナ人は文明人だと、勘違いしている人が沢山いるが、シナの歴史は、シナ大陸の歴史で有って、決して、漢民族の歴史では無い。 特に、10世紀に、異民族の金や元に、趙宋が滅ぼされた時に、長江文明を受け継いで来た中華文明そのものが、終焉しているのであり、その後、西洋に紹介されたシナ文明は、単に、異民族(満州族)の275年の清王朝に受け継がれた遺産に過ぎない。

 歴史を重視して居ない、欧州文明は、「歴史は勝者が造るモノ」と言う事を、残虐行為や卑怯な騙し撃ちの言い訳にするばかりで、歴史に学ぶ事に重点を置いて居ない。 特にロシアは、10世紀にようやく文明の萌芽をみたのに、300年も、元に支配されて居た、ルーシ人(=スラブ人)の国である。 未だ欧州内での地位を挙げたいと言う潜在的な願望を持って居るものが、大国とはいえ「東洋の未開な国」の歴史に等、関心を持つワケが無い。

 その結果、現在のロシアのGDPは、シナの1/8であり、韓国と同水準の国である。 是は、ロシアが如何に多くの核弾頭を有しているとはいえ、シナとの力の差は、顕かだろう。 しかも、ロシアは、軍事機密を悉く盗まれて終って居る可能性が有るのに、シナの武器輸入量が激減するまで気が着いて居ないと言うマヌケ振りで有る。

 亦、ロシア内での旧ソ連時の体制も、ウクライナなどの離反で、既に修復不能に近い。 プーチンは大ロシア主義を掲げて。世界に冠たるロシアの復興を叫んでいるが、今や、ロシア人に取って、国家と言う意味で、価値を感じるのはソ連だけでは無かろうか。 ネオ・コミュニズムが台頭して来る可能性もある。

 即ち今のロシアには、有益なものはモゥ何も残って居ない、後は、国内や旧ソ連体制内に湧出する石油や、その他の地下資源を切り売りして、細々と食いつないでゆくしかない。 そう言った現実を、プーチンは突きつけられているのでしょう。

 そう言う意味で、ロシアが他国の紛争にコミットして、自国の立場を有利なものにして行こうとしているのは良く分りますね。 日本は、この辺りのロシアの窮状を汲んで、やれ極東開発だとか北方領土だとか言って居ますが、国家としての考え方が未だ中世を抜け出せていないロシア人に、譬え、どんなに卑劣な手を使って入手した領土でも、只で返す等、有り得ない話でしょう。 

然し、極東が文明化して、ロシア人が欧州から移住してくるような展開になれば、一番近い文明国は日本や米国ですから、ロシア人の考えも変わって来るでしょう、って、後100年位先の話ですね。 土地を買い取る手もありますが、それ程価値があるのかそうか、判断は流動的ですね。

 ロシアに取って、シナは、昔から「油断の出来ない隣国」です。 現に今も、極東はシナ人に人口侵略されて居て、もし、日本海工業地帯が完成しても、働いて居るのは、シナ人と朝鮮人ばかりで、ロシア人はほんの少数と言う事態は、今からでも、確度の高い事として、想像がつきます。

 喫緊のシナ・ロシア問題も、米国がシナをどう料理するのか、に懸って居ると言えましょう。 現在、対シナ包囲網をG7でやって居ますが、ロシアを加えて、G8にする、トランプのアイデアは、満更、捨てたものでは無いかもしれませんね。

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