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2018年3月 5日 (月)

メルケルは反トランプ、親支那であることがわかる

ーー以下「宮崎正弘ブログ書評」より抜粋編集

三好範英『メルケルと右傾化するドイツ』(光文社新書)

ドイツ政界に何が起きているのか。

先週、評者(宮崎)は、ベルギーのブリュッセルに二日ほど滞在し、EU議会とEU本部の撮影に行った。

この一帯は国際村(インタナショナル・ヴィラッジ)とでも呼ぶべき所となっている。

EU加盟国の高官(エリート)が集まり、議論し、贅沢な官僚生活を送る所となっている。

国家主義(ナショナリズム)を異端視する自由主義者(リベラル)の巣窟でもある。

ーー

ところがベルギー国民の大半がEU官僚どもを「税金の無駄つかい」と批判する。

ベルギーのような小国に、しかしなぜEU本部を置いのか。

それは、国際組織を誘致すれば、ベルギー経済が強くなると考えられたからだった。

しかし、国境をなくすことに賛成していたそのベルギー国民が、いまやそのようなベルギー政治の変革を希望している。

そしてドイツでは「ドイツのための選択肢」などの反メルケル運動が台頭し、フランスではルペン率いる「国民戦線」が第二党に躍り出てきた。

欧州各国で国家主義が台頭しだしたのだ。

ーー

もともと欧州連合EUの旗を振ったのはドイツだった。

そのドイツで2006年以来長期にわたって政権の座にあるのがメルケルなのである。

女史は、保守政治家と見られがちだが、断じて保守政治家ではない。

プーチンのような「状況対応型政治家」の典型であると言える。

それゆえ政策に大きな振幅が見られ、その「変節」の度に、欧州全体が混乱することになる。

ーー

いったいメルケルは世界の救世主なのか、それとも世界秩序の破壊者か?

ーー

本書では冒頭に、エマニュエル・トッドの警句が掲げられている。

トッドいわく、「ヨーロッパは、20世紀の初め以来、ドイツのリーダーシップの下で定期的に自殺する大陸ではないのか」(『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』、文藝春秋)。

トッドこそEU解体、ユーロ解体を予言して憚らないフランスの人口学者なのである。

彼は、かつてはスラブとムスリムとの相対的人口比較からソ連崩壊を予測し当てている。

ーー

メルケル独首相は女傑か、それとも世界の破壊者か。

こうした設問がでてくるのも、彼女の政策こそが、ドイツ政治を危機に追い込んだからである。

ーー

そこで三好氏は、メルケルの生い立ちから、その青春期、東ドイツ時代、そしてコールの右腕として頭角を現し、やがてコールと訣別し、政権を担い、四選を成し遂げた女傑ぶりをあますところなく描き出す。

メルケルは、「誠意の人」であり、「心情倫理」が強すぎ、難民に同情しすぎた。

だから「誠実と合理主義が過ぎて、邪悪で不条理な現実に裏切られる」。

「ヨーロッパや世界に大きな影響力を持つドイツ首相の振る舞いであればこそ、そこが一番の問題である」(312p)

ーー

本書の終盤で大事な記述がある。

それはドイツがなぜ、支那にのめり込むのかという疑問についてである。

フォルクスワーゲンの販売実績は支那市場がドイツ市場に次ぐ規模になっている。

支那企業がドイツのハイテク企業買収に乗り出し、世界のロボットの四大メーカーのひとつ「クーカ」社を買収した。

当然だろうけれども同盟国からも警告があり、ドイツ財界の一部には警戒感が生まれた。

しかし、「(支那への)警戒論は全体の流れを変え」なかったのだ(301p)。

ーー

習近平が強力に推進する「一帯一路」プロジェクトの鉄路の終着駅はデュッセルドルフに近いデュースブルグ港(欧州で随一の内陸港)である。

現地に取材した三好氏は、その現場に支那語が氾濫し、いまでは重慶との間の貨物便が毎週25本にまで増えているという現実を伝えている。

メルケルは反トランプ、親支那であることがわかる。

そして過去の発言や訪日回数の少なさを見ても、おそらく反日であろうとの類推が本書を読んだあとの評者の感想だった。

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コメント

>縦椅子さま 本日も更新有難うございます。
>>メルケルの反日・親シナへの疑問
 私もトッド氏の俯瞰的な見方「欧州は、20世紀の初頭以来、ドイツのリーダシップに拠って自殺させられて来た」と言う比喩は、正鵠を得てると思います。

 白人種のゲルマン・スラブ・ケルト(ガリア)の基底民族で成立する欧州の人種の中で、唯一、被支配を拒み、同種白人種を隷属させながら、同じコーカソイド種であるが、有色人種の青人文明であるローマの千年に亘る支配を打ち破ったのは、ゲルマン人であった。

 然し民族的分類をすれば、ゲルマン人は、ドイツだけに棲んで居るのでは無いし、ヒトラーが国粋主義的プロパガンダで用いた様に、ペルシャ人やインド人の祖先のアーリア人の子孫でもない。 紀元前20世紀ごろに、黒海周辺に暮らして居たコーカソイドの一部が、ドナウ川を遡上して新天地を求めた結果、シュバルツバルト(黒い森)と呼ばれる森林地帯で狩猟採集を、もっと北へ上がって、白海(バルト海)や北海の大ブリテン島周辺、スカンジナビア半島周辺の水深の浅い海域で、漁労・海産や海賊行為で生計を立てて居た所謂、バイキングも彼等、ゲルマン族でしょう。

 その中でも、6つ以上の大河川(ロワール、セーヌ、ローヌ、マイン、マース、ライン・・)で形成されたフランスの平野では、紀元前20世紀ごろから居住していた小麦栽培を成功させたケルト族やガリア族をBC51~15世紀半端の530年間ローマが支配し、石ころだらけだった最大級のクロー平野(120㎞2)を灌漑して肥沃な土地にしますが、ここへ、ゲルマンの支族であるフランク族が力が攻め込み、東ローマ(ビザンチン帝国)との14世紀中半からの100年戦争を戦い抜いて、15世紀半ばには、フランスを建国します。是がローマ帝国消滅の決定的原因となります。

 古代ゲルマン族はこうした、支配者ローマに潜入し、調略・侵略する事で繁栄し、その居住地や生業に拠って、次第に分裂、独立して行ったと考えるべきで、現代ドイツに棲んで居るから、ゲルマン人だと言う考えは、9世紀に西ローマ帝国の後継を騙り19世紀初頭に滅びた神聖ローマ帝国の遺産の様なモノだと思いますね。

 欧(米)州人の白人種が共通で持って居るのは、潜在的な歴史コンプレックスでしょう。 ゲルマン人の文明化は、白人種の中では、最も早いものですが、紀元前10~15世紀でしかありません。すると、同じ大陸島の東の端のシナと比較すれば、大幅に西の文明は遅れて萌芽した事になる上、紀元から10世紀辺りまでは、原始人に近い暮らしをして居た白人も居たワケで、白人優越主義者に取ってアンタッチャブルな弱点になっていて、この潜在的なコンプレックスが、実は侵略者で有った青人のローマ人を、自分達の先祖の様なデマゴギーを創生している原因とも、なっていると思います。

 処が近世になる迄、シナ人に対するコンプレックスは有ったものの、シナの歴史を詳らかに調べて看れば、古代の優れた文化を創出したのは、長江文明と言う別の文明であり、其れを亡ぼした黄河文明人は決して文明創設者では無く、只の剽窃者で有り、然も食人をした記録を平気で遺して居た。 つまり、当時のシナの社会常識では、食人は、普通に行われて居た風習だった事を知るに及んで、シナの歴史もプロパガンダ「=政治的意図を含む嘘」でしかない事を知った。

 是で欧米人達は、逆にシナに親近感を持つ様になる、何故なら、他者の文明の剽窃者と言う点では、同じだし、人間を生贄にする儀式は、ローマ帝国でさえ紀元近くの第二ポエニ戦争のハンニバルとの決戦前夜に行った記録がある。つまり、西洋も東洋も大差ないと、或る意味安堵したのだろう。

 処が西洋では、決して起こり得ない文化を持った数万年もの歴史を持つ国がシナの隣にある事を、図らずも知って終った。 それが日本である。

 似たモノには親近感を覚えるが、懸けはなれたモノに対しては、畏怖の気持ちから、憧れと同時に、未知ゆえの警戒心と嫌悪感も併存していると言えるだろう。

 メルケルは、キリスト教民主党の党首であるからには、当然クリスチャンであろう。 クリスチャンの善なる部分は、大いに認めるが、その基本教理が、余りに民族宗教的な「排他性」を持ち他宗教の存在を「悪」と決め付け許さない部分は、「差別」肯定と捉えられかねないのだが、彼女も熱心なクリスチャンにありがちの視野狭窄に陥っているのではないかと私は疑って居る。

 然しドイツは、トッド氏の「ドイツは欧州の破壊者で有った」と言う、重大な指摘にある事をこの先も繰り返さない様にする為には、一体、どうするべきなのか、未だ今なら、真剣に考えて対策を講れば、三度戦火を巻き起こす原因国となる事は避けられようが、決してシナと行動を共にしてはイケない事だけは、肝に銘じるべきだと思う。 現代のシナ文明を過大評価してはイケナイ、彼らの殆どは、自文明の「論語」の中身処かその存在さえ知らないのである。

 歴史を検証する際、願望に拠って造られた歴史成分をすべて排除すべきなのは言うまでも無い事だろう。

メルケル氏は家系はポーランド系で、ハンブルグで生まれました。
父親が牧師として東ドイツで赴任することになって、1954年に両親と共に生後数週間で東ドイツへ移住しています。

中学校時代の成績は優秀で、ドイツ社会主義統一党の下部組織である自由ドイツ青年団に属していて、1973年にカールマルクス・ライプツィヒ大学入学、1977年に結婚しています。


メルケル氏の子供の頃に注目しますと、中学校は東ドイツの教育ですから社会主義の教育を受けています。そこでは、社会主義は万能で有り、西側諸国の民主主義は絶対悪であったと思いますし、日本は帝国主義の侵略国として教育されたと思います。

私の場合は日本人ですから、日本での義務教育を受けており、その中で資本主義のことを習っていますが、時代は日教組の全盛時代でした。
その教育の中では、世界は資本主義から社会主義に流れていくだろうとの雰囲気がありましたけれど、それでも住んでいるのは日本ですから資本主義を全否定することにはならなかったと思います。

でも、メルケル氏のように社会主義の東ドイツで義務教育を受けていたら、社会主義が絶対に正しく、資本主義は全否定する教育を信奉していても不思議はないと思うのです。
メルケル氏が資本主義国のトランプ氏の米国や日本が嫌いで、社会主義国の中国が好きでも、何の不思議もないと思います。


日本では、終戦後は米軍を中心に占領政策が行われたのですけれど、義務教育では米国が中心だから資本主義が正しく、社会主義が間違っているとの方針はとられませんでした。
WGIPにおいて米国から中共だけでは足りずに、朝鮮半島までが日本より正しいとする訳の分からない日本全否定政策で、日本は貶められたのですが、住んでいるのが日本人ですし、成人は戦前生まれですから(当たり前です。)、その国を完全に否定することなど出来なかったのです。
それでも、占領政策によって占領軍による思想改造は相当影響を与えました。
占領国が右側なのに、思想的には左側からの影響が大きかったのは、米国からの思想教育よりも、社会主義である左側からの影響が大きかったのは、米国内でも左側の行動が活発だったからでしょう。


これが、左側の主導による国家ならば、どれだけ強い政治教育をされるのかと想像しますと、メルケル氏にこれが現れても疑問に感じることは出来ません。

戦後の昭和30年代から40年代までなら、ドイツの一般国民の声として「今度戦争をやるときには、イタリアを抜いて、ドイツと日本でやろう。」との、声がマスコミからも見られたのですが、戦後も長くなりにけりで、その世代の大半はいなくなりましたから、戦後教育の影響を受けた世代の時代です。

メルケル氏が反トランプ、反日本であり、親支那であっても仕方がないと思います。
三つ子の魂百までと言うことでしょう。

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