無料ブログはココログ

« 支那では、その度に、王と眷属は九類に至るまで粛清され、大量の殺戮が全土に展開されてきた | トップページ | それは本当なのか »

2018年3月29日 (木)

その地に根差した文化・文明というものは、替えようがないのかもしれない

ーー以下「宮崎正弘ブログ樋泉克夫のコラム」より抜粋編集

内藤湖南『支那論』(文藝春秋 2013年)

内藤は、清末を代表する指導者の李鴻章を取り上げ袁世凱と比較し、

「西洋文明採用の仕方は」李鴻章の方が「一段と組織立っておるように見える」

しかし、「文明の意義というものを十分に呑み込まずに、有形上の利器を採用しさえすればよろしいと思う点においては、やはり同一ではないかと思われる」。

と述べる。

ーー

袁世凱も李鴻章も「何でも外見を都合よく見せ掛けることだけに骨折って、そうして根柢の仕事というものは、一向にこれをする積りがない」と。

これをいいかえるなら「有形上の利器」(=ハード)は「文明」(=ソフト)という培養土によって育ち創造されるという意識を、袁世凱も李鴻章も持ち合わせてはいなかったことになる。

ーー

これを改革・開放政策に踏み切った1978年末を挟んだ時期の共産党政権首脳の動きに合わせると、不思議と重なってしまう。

ともかくも彼らは日本や欧米の最新技術を求めた。

訪日した鄧小平にしてから、当時世界最新の新日鉄君津工場の導入を熱望したのだ。

ーー

ここで我が明治殖産興業時代を思い出してもらいたい。

当時の明治政府指導者は学者らに聞きまわって、欧米の一流の人物を探し当て、首相の給金をはるかに上回るような額を提示し、その人物(お雇い外人)を招聘している。

そして彼らに高給と洋館と下僕を与え、とにもかくにも文明の培養土作りに励んだのだ。

時代に差はあれ、「有形上の利器」と「文明」の関係を考える時、彼我の指導者の違いに改めて注目したい。

そして、我が国・先人の先見性に深い敬意を表したい。

ーー

内藤に戻るが、清朝を倒して中華民国という共和制の新国家が誕生したが、それは名義上に過ぎないと述べる。

中華民国の政権を維持しているのは袁世凱を筆頭に清朝政権中枢であり、「それがために支那数千年来の積弊を掃除することはとうてい」出来なかったのだ。

「政治上の事に責任を持つ人間がなく、官吏が貴族生活をなして、非常の収入を得、私を営む」のであると。

支那ではこの「私を営む」ことを取り除くことが困難至極なのだ。

ーー

習近平は皇帝となって、「私を営む」輩を退治しようとでもいうのだろうか。

ーー

「私を営む」を率先垂範してきた人物による軍事的勝利によって「威力上の統一が行われても、結局根本の改革というものは」出来ない。

「これが出来なければ共和国になっても、結局支那というものがますます衰減に向って行くより外ない」ということになる。

やはりその地に根差した文化・文明というものは、替えようがないのかもしれない。

« 支那では、その度に、王と眷属は九類に至るまで粛清され、大量の殺戮が全土に展開されてきた | トップページ | それは本当なのか »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>縦椅子様 本日も更新有難うございます。
>>シナ人の文明観と現実
 其れにしても、日本の先人の洞察力は素晴らしいと思いますね。 現在の様に、シナに気軽に出かけて、現地で要人若しくは要人に近い人と直接交流出来たわけでも無いのに、李鴻章と袁世凱を公平に比べ、其々を的確に批判出来て居るのは、内藤先生に、「国家とは、文明とは、斯くあるべし」と言う確信的な定義の様なものが、有ったからだと推察します。

 内藤先生が指摘している様に、比較した2人共が、「上辺だけの体裁や、機能を学び、その本質については学ぼうとしない」=「外見だけは立派だが、中身は空っぽ」と言う現代のシナ人と全く変わりがありません。 見事に、シナ人の本質を見抜いて居るなぁと、感心して居ます。

 さて、終身主席の権利を獲得した習近平ですが、その実、何時暗殺されるか分らない、緊張状態が続いて居るのは、既に、身辺で十数回を数える暗殺未遂事件が起こって居る事で、顕かでしょう。 習の身辺からは、この先も、人がドンドン少なくなって行き、最後には習一人で、全てを担う事になるでありましょう。

 一昨日、北朝鮮が、米国の強硬姿勢に、進退窮まったのか、シナの軍門に降り、対米関係が緊張し始めたシナも、「窮鳥懐に入れば、猟師も是を撃たず」の俚諺通り、歓迎した様ですが、嘗てシナが目論んで居た、正恩の叔父の張成沢と実兄正男の政治体制を、夫々の処刑・暗殺により、目論見を断った事については、謝罪したと思われますが、シナとの会談の条件でもあった「核廃棄」の約束も、緊急事態回避の為の上辺だけの話なのは、両者とも暗黙の話であろう。

 然し、米国トランプ政権は、固より、2者は裏で繋がって居て。一体であるとの認識を持って居るカラ、別段態度を改める必要が無い。 困るのは、米朝、或いは米中の間を取り持つ音で、存在感を示したかった、韓国の文大統領であろう。 自分のあずかり知らぬ処で、対立状態だったシナと朝鮮が手を結んだのだから、韓国だけ浮いた状態になっているからだ。

 この先、如何なる展開が待って居るのか分ら無くなって来たが、日本は米国が示した、日米台三国によって生じる、新たな軍事境界線についての検討を、台湾を含めて、早期に行うべきであろう。

 

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 支那では、その度に、王と眷属は九類に至るまで粛清され、大量の殺戮が全土に展開されてきた | トップページ | それは本当なのか »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31