無料ブログはココログ

« ようやく、憲法学者内部から現行憲法に対する反撃が始まった | トップページ | 漢字(日本語)を捨てるということは、近代を捨てるということなのである »

2017年9月 6日 (水)

欧州諸国では、大気汚染の原因がディーゼルエンジン車であることが、誤魔化しきれなくなった

ーー以下「株式日記toraさんの意見」より抜粋編集

池田直渡氏はロンドンやパリの大気汚染はひどいと言う。

エッフェル塔の上が霞んで見えないのだ。

パリやロンドンに住む人たちはそのことに気づかないのだろうか。

一方で、英国メディアは、大気汚染による健康被害者を年間4万人に達すると伝えた。

ということは彼等とて気付いているのである。

それではなぜ大気汚染の原因を突き止め、元を絶つか改善しないのだろうか。

ーー

2015年にはフォルクスワーゲン車の排ガスは少しもきれいではないことが発覚した。

エンジン制御プログラムに排ガス試験対策用のモードを設けて、一時的に出力を犠牲にして排ガス試験をパスしていたのだ。

実際の走行時には規制値以上の排ガスを出していた。

そのエンジンを強力かつ低燃費だとして世界中に1000万台も売った。

フランスやイタリアのメーカーも同様のエンジン制御プログラムを付け、車を売っていたのだから、欧州で大気汚染がひどくなるのもあたりまえだ。

ーー

欧州製のディーゼルエンジンはなぜ排ガス規制を克服できなかったのか。

ディーゼルエンジンは、空気を圧縮し高温となった燃焼室に直接燃料を噴射し、自己着火して膨張した燃料(気体)によってピストンを動かす仕組みだ。

ガソリンエンジンよりも高い圧縮比にできるので高トルク(ガソリンエンジンと馬力が同じならそれ以上によく走る)になる。

ーー

燃料は噴射ノズル近くでは燃料過多になり、不完全燃焼してくすぶり、煤(すす)を出す。

煤はフィルターで漉し取り、フィルターが詰まってきたら、燃料を濃く吹いてフィルターの煤を焼いて飛ばす。

この機能が働かないモード、つまり短距離使用ばかりを繰り返していると煤詰まりの問題が発生する。

ーー

一方、噴射ノズルから遠いところでは温度が上がる。

高温では空気中の窒素が酸素と化合してNOxになる。

(酸素の化合数は状況によってまちまちで、Nの数もOの数も違う順列組み合わせがあり、数が不定なので数字の代わりにxを使う)

ーー

NOxの発生を防止するためにはNOxが生成されない温度まで燃焼室の温度を下げればよいことが分る。

まず燃料噴射を均一にし、そして不燃ガス(排ガス)を吸気に混ぜて燃焼温度を下げる。

もう1つ、これは今のところマツダだけの技術だが、ディーゼルエンジンの圧縮比を下げることで燃焼温度を下げるという方法もある。

この方法では排ガスの後処理の必要が無いほど燃焼そのものでNOxを制御できる。

ーー

排ガス中のNOxを減らすためには、エンジンの工夫のほか、「後処理」も使われる。

この場合、排気に尿素液を噴霧してNOxを無害化する。

ただしこの方法だと、尿素を定期的に補給しなくてはならないので、使い勝手も悪いし、費用もかさむ。

別の方法は、NOxを触媒を介して吸着させ、高温の排ガスでNOxを還元(窒素と酸素に分離)する。

この技術は希薄燃焼エンジンの開発の中でトヨタとキャタラー工業が開発したもので、日本の独壇場である。

ーー

欧州のディーゼルエンジンは排ガス循環が不十分で、燃焼室温度を下げ切れていない。

結果的に尿素で後処理をしているのだが、尿素の消費量を抑えるために、不正を行ったと言われている。

ーー

もちろん各社にも言い分はあるだろう。

ドイツ政府は自動車産業を守るために問題を放置したままだ。

不正を糺(ただ)すことが国益に反することは自明だからである。

しかし国家が、こんな無責任なことをしていれば、大気汚染が悪化するのは当然だ。

ーー

「日本のディーゼルだって汚染物質を出している」という声もある。

ディーゼルエンジンがその仕組み上、ガソリンエンジンとの比較で排ガス性能が劣るのは事実である。

だから日本製のエンジンだけが完全に無罪であるとは言わない。

ーー

だが、現実の大気汚染は欧州と比べて日本はどうなのだろうか。

日本は、平野部が国土の3割ほどしかなく、人口密度は、欧州諸国以上だ。

しかも、経済規模GDP(国内総生産)が大きく、その巨大な経済活動も人口も首都圏に集中している。

そこで使用されている商用車の殆どがディーゼル車なのである。

つまり欧州のどの国よりも公害が発生する条件がそろっている。

にもかかわらず、都心の空気について公害が喫緊の課題になる気配は微塵も無い。

ーー

つまり日本でもディーゼル車はたくさん走っているのであるがスモッグの発生はロンドンやパリと比べると無きにひとしいのだ。

欧州諸国の大気汚染の原因は欧州産ディーゼル車にある。

この事実を知りながら、日本の自動車評論家らは、ドイツのディーゼル車をキレイ(クリーン)だと賞賛してきた。

これは、日本の自動車評論家がドイツの自動車会社から現金を受け取って事実に目をつぶって評論していたことを示している。

ーー

しかし欧州メディアも、ディーゼルエンジンの不正追求にはおとなしい。

欧州各国にとっても自動車産業を潰してしまうわけにはいかないからだ。

北京や上海などのアジアの大都市の大気汚染もひどくて、多くの気管支系の病気で多くに死者を出している。

しかしアジア諸国の人達も汚染ガスを撒き散らす安い車を買っている。

そしてアジア諸国も、国民の健康よりも自動車産業を守ることを優先している。

ーー

しかし欧州諸国では、もう大気汚染の原因がディーゼルエンジン車であることを、隠しきれなくなった。

彼等は、クリーンディーゼルの開発に失敗し、ハイブリッド車の開発にも出遅れたのだ。

それで何事にも、優越感を持ちたい人たちなので、フランスやイギリスはEV化宣言をした。

はたして100万円程で、120km/時の速度が出せ、600km走れる電気自動車EVが作れるのだろうか。

ーー

日本の100万円程で買える、文字通りキレイ(クリーン)な軽自動車や小型車は、120km/時の速度が出せ、ガソリン満タンで600km走れる。

ーー

それに電気自動車EVにすると、ガソリンスタンドが不要になるだけではなく、新たに充電設備が要る。

電気自動車の為の電力も要る。

誰が、その膨大な負担をするのか、まだ何も決まっていない。

ーー

かつてアメリカは日本車を排除しようとしてマスキー法で極端な排ガス規制を行った。

ところがアメリカの自動車会社はマスキー法の規制値を下回るエンジンを開発できなかったのである。

マスキー法の規制値を下回るエンジンを開発したのは皮肉なことに日本のホンダだった。

欧米では現在のところ、日本の自動車会社が実現している価格では、ハイブリッド車が作れないでいる。

その対策として、フランスは2017年7月6日、2040年までに内燃機関を動力とする自動車の販売・生産を禁止すると発表した。

それは、マスキー法が米自動車産業を衰退に導いたように、欧州の自動車産業を隆盛ではなく衰退に導くのではなかろうか。

« ようやく、憲法学者内部から現行憲法に対する反撃が始まった | トップページ | 漢字(日本語)を捨てるということは、近代を捨てるということなのである »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

日本は、凄いですね。
70年代は、ディーゼルの排ガスにより空気が汚れてたけど、石原都知事の時に問題化し一掃されたことは、記憶に新しい。
スモッグ等昔語りですよ。
日本は、衰退するどころか益々好調じゃないですか。
白人から見れば、日本人程不思議な民族は、居ないでしょうね。
全般にわたって欧米を凌駕していますから。
しかも100年位でこれですから。
日本は、欧米を真似たけど、欧米は、日本を真似できないでいる。皮肉ですね。

ディーゼルエンジンはトラックのようなものにしか、乗ったことがないありません。昔は、振動が強いけれどトルクは大きいと感じましたけれど、ディーゼルエンジンの乗用車には乗ったことがありません。

石原都知事がディーゼルエンジンの排気の煤煙を、瓶に入れて振っていた映像は有名ですが、あれで日本のディーゼルエンジンはイメージを落としましたし、東京都内を走らせないと言いましたから、日本ではいつディーゼルの車がなくなるのかと思ったくらいでした。あの後、メーカーは、排気ガスの研究をしたと思います。

それで、2015年のフォルクスワーゲンのディーゼルエンジンですけれど、有名なメーカーですから排気ガス対策はしっかりしていると思い込んでいたのですけれど、驚きました。
排気ガス試験を技術でクリーン化するのではなく、排気ガス試験対策用のモードを設け、排気ガス試験をパスしていたと聞いては呆れるしかなかったです。
言っては悪いのですが、三菱自動車が燃費を向上させるのに技術ではなく、会議室で決めていたのと同様の感じです。

これについて、フォルクスワーゲンだけでなく、フランスやイタリアのメーカーも同じようなことをしていたから、アメリカでバレたのだと思います。一番大きなメーカーから罰金を取るのは、アメリカのやり方です。
日本のトヨタは濡れ衣で高額の罰金を取られましたが、あの時の社長は立派な対応をしたと思います。

ディーゼルエンジンにせよ、ガソリンエンジンにせよ、石油を燃やしているのですから排気ガスが出るのは当然です。これの排気ガスが大気汚染を起こすからと、エンジンに排気ガス対策をするのは政治ですから、人間の健康対策として排気ガスを制限するのは理解できますが、技術を超えたところまで強引に制限するからフォルクスワーゲンのような不法が発生します。

技術的に可能な部分で制限をしていたら、こんな不細工な問題は起こらなかったと思うし、メーカーも不法なことはしなかったと思います。そして、排気ガスの基準値を超えた部分に税金を掛けることは、一つの方法でした。
マツダやトヨタなどが新技術で対応できていた部分は、逆に税金を減額することでカバーするのが政治だと思います。
アメリカの今回の罰金は極めて高額でしたが、当のアメリカではこれがクリアーできていたのか否かも分かりませんが、アメリカはときどき無茶な要求を他国に求めますから、振り回されることがあると思います。

2016年6月に韓国で、日産キャシュカイが排ガス低減装置を違法に操作したとして、新車の販売、リコール及び課徴金を命じられたことがありました。
これは、フォルクスワーゲンと異なって、排気ガス検査に違反したものではなかったと思いますが、日本の技術を外国に疑われるようなことはして欲しくなかったです。

マツダは最近ガソリンエンジンでディーゼルのように、ガソリンを圧縮して爆発させるエンジンを開発したそうですが、まだまだガソリンやディーゼルエンジンには開発の余地があると思います。

それを、ディーゼルエンジンの排気ガス検査が通らないからと、石油を使うエンジンの使用を止めて、電気自動車に転換するのは余りにも技術的に安易で、電気自動車の動力源である自動車用電池の開発には、まだ時間が掛かると思います。

これを中途半端なまま、電気自動車に切り替えた場合には現在の自動車メーカーと、中国の新興自動車メーカーとの技術的な差がなくなって、現在の自動車メーカーの首を絞めることになると思います。

約15年前、私がまだ船舶関連の仕事をしていたころ、ディーゼルエンジンの本家本元は、ドイツのMANであり、大型船舶の主機に使われている低速大型部門は、競争相手だったB&Wを吸収して最大手となり、もう一つのWARTSILA(旧SULZER)にも、技術的にも水を開けていたと認識していました。

さすがにドイツだなぁと、思っていたのですが、車部門でも欧州では、ディーゼル社が主流と言われ始めたの野に拘わらず、日本では、石原都知事が、一方的にディーゼルエンジンを悪者に仕立て、なんと条例で、ディーゼル車は東京都内乗り入れ禁止としたので、私などは「なんて機械音痴のおっしゃんだろう、ディーゼルエンジンこそ、エンジンの中では最も進化したエンジンなのに」と、歯痒い思いをしていました。

所がマツダが、「スカイアクティブ」と言う名の、排気ガスをフィルタリングして、禁止条例の根拠となった排気ガスの成分組成の値をクリアして終ったのです。 「欧州はディーゼル車が主流」と聞いていたので、「やっと欧州に追いついたなぁ」と喜んでいたのですが、ここで起こったのが、VWショックでした。

それも 「排ガスの検知試験で、インチキをやったことがばれた」と言う、破廉恥なもので、長年築き上げてきたVW社の信用を木っ端みじんにする暴挙でした。 しかも、他の、高級車メーカーである、ダイムラーベンツやBMW社まで疑惑が及んでいることを知って、ドイツ神話の終わりを実感しました。

どぅも、マツダのスカイアクティブ開発の技術力について行けなかったそうですが、問題は経営陣がエンジン開発費をセーブしたり、技術者の待遇を悪化させたりしたのが、開発を遅らせた原因となり。 その結果、開発不調の焦りから、俄にトップに立たされた営業出身の非技術系のリーダーが、若手技術担当にインチキを支持したと言うことかと。

余談ですが、この騒動でVW社が背負ったペナルティは軽一千億を超え、5千億と言う話もありますし、失った信用を取り戻すには、これまで積み上げた努力を一からやり直さねばむりでしょう。 愚かな経営者にかかると名門の名声も信用も、おまけに試算も一瞬にして吹っ飛びますね、他山の石としたところです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ようやく、憲法学者内部から現行憲法に対する反撃が始まった | トップページ | 漢字(日本語)を捨てるということは、近代を捨てるということなのである »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30