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2017年4月17日 (月)

「金王朝終焉」の合図は、北朝鮮の核施設への米軍巡航ミサイルの発射である

ーー以下「兵頭二十八(軍学者)氏の小論」より抜粋編集

ちょっとばかり核武装した国がもし米国を核兵器で脅迫すれば、米国はその政体を転覆させる」という現代国際政治史上の前例、教訓が今、創られつつある。

気掛かりなのは、トランプ米大統領が「いま北朝鮮を崩壊させることの意義」をどこまで理解しているかである。

北朝鮮は、第三者を納得させられるような理由なしに米国人を狙って殺害する「国家後援テロ」を実行していない。

それゆえ歴代の米国政権は、朝鮮戦争の休戦以降、北朝鮮をどうすることもできなかった。

ーー

リビアのカダフィ政権が、2011年に転覆させられたのは、彼が核武装を諦めてしまったから、ではない。

2011年の米オバマ政権にとって、アラブ世界の非民主的体制はすべて気に入らない存在だったのである。

その気に入らない政権が、国内動乱で崩壊しそうな兆しが見えた。

その動乱の火にガソリンを注ぎかけてやる外交は、オバマ政権にとっては「安全・安価・有利」で、しかも「快楽」そのものだったのである。

エジプトのムバラク政権もそうである。

彼の場合もまた、米民主党政権内の「快感原則」が優先された。

オバマ政権にとっては、ムバラク政権は単に「非民主的」であり、彼の追放劇を見ることはこの上もない愉悦だったのである。

ーー

第1期オバマ政権の2年目にあたる2010年11月23日、北朝鮮軍が突如、韓国の延坪島を砲撃した。

このときオバマ大統領は、朝鮮半島に米海軍の空母艦隊を向かわせたものの、何の攻撃も命じなかった。

だが、オバマ氏にはその「余裕」が許された。

彼の下には、北朝鮮が数年以内に「核弾頭付きICBM」を持つことなどは到底できやしないと確信に足り得るだけの情報が集まっていたからである。

だが、トランプ氏には、問題の先送りが難しい。

いくらなんでも、あと8年もあれば、初歩的な北朝鮮製のICBMが1基か数基ぐらいできたとしても不思議ではないからだ。

ーー

メガトン級でないキロトン級のICBMが現代の大都市域を数十キロメートルも外れれば、与える損害はあっけないほどに小さい。

だから1950年代の米戦略空軍は、メガトン級の水爆を重さ2トン未満に軽量小型化できる技術的見通しが得られるまでは、ICBMの配備など無意義であるとして当初開発を閑却していた。

ーー

北朝鮮は、出力がメガトン級ながら重さ2トン未満の水爆を持ってはいない。そのような実験も当分できないだろう。

核武装国であるインドやパキスタン、イスラエルですら、そんな高性能の水爆を開発できないのである。

北朝鮮が、出力数キロトンの原爆弾頭を、なんとか全重1トンに抑え、それを載せてかろうじてニューヨークまで届く多段式の弾道ミサイルの先端に、搭載できたものと仮定しよう。

実験試射であれ、実戦攻撃であれ、まず、その大型の弾道ミサイルを垂直に立てて発射しなければならない。

ここで北朝鮮は、解決不可能な難問に直面してしまう。

ーー

「ICBMは中距離弾道弾とは違って巨大であり、おいそれと移動などはさせられない。そんなものが露天発射台に据えられようとした時点でわが偵察衛星は探知ができる。大統領が即座に空襲を命じれば、発射準備が整う前に確実に米軍からのミサイル空襲で爆破できる」

ーー

すでに平壌政府は「米国を核攻撃する」と何度も口先で脅している。いまさらそれは取り消せまい。

そのあとで、たとえ試射用であろうとも、ICBMなどを発射台に据えたなら、米国はそれを即座に先制空爆して発射台ごと破壊する。

そう、米有権者が完全に納得できる「開戦理由」である。ましてトランプ政権ならば、決行は確実だ。

したがって北朝鮮は、露天発射方式ではない方式をなんとか工夫しない限り、米国を攻撃できるICBMを手にする日は永遠にやって来ない。

ーー

それならば「鉄道機動式」とすれば、どうであろうか。ロシアのような広大な国ならば、それは合理的オプションとしても足り得る。

だが、北朝鮮は、狭い上に、既存線路の保線すらまままらなくなっている経済失敗国家である。

既存のレールをミサイル移動用に利用するにしても、新規に専用線を建設するにしても、その作業を米国の偵察衛星から隠すことはできない。

残されている現実的な方法は、天井の非常に高い「横穴トンネル基地」を新たに整備して、山岳中の「垂直坑」からそのミサイルを奇襲的に発射するやり方以外にない。

この大規模な大深度地下工事を米国家偵察局(NRO)のマルチスペクトラム偵察衛星(地下構造物までも見分けることができる)から隠して進めることも、おそらくは難しいだろう。

ーー

北朝鮮からニューヨーク市に届かせるのに必要な弾道弾の飛距離は、ロシアのICBM以上だ。

ロシアよりも遅れた技術しか持っていない北朝鮮は、ICBMの全システムをロシアのように都合よくコンパクトにまとめることはできない。

なかんずく、ICBMの全段を工場で組み立て終えて、燃料が入った状態で横に寝かせることなど北朝鮮には不可能なのである。

高さ30メートルか、それ以上もある縦長楕円形の横穴トンネルと、軌条と縦坑と台車の組み合わせでICBMを地下空間から発射する。

これができるようになるまでに、北朝鮮の土工能力ではまず「2年は必要」だろう。

しかし、縦坑が一つだけでは最初から位置固定の硬化地下サイロと同じで、米軍の先制攻撃によって簡単に破壊されてしまう。

垂直坑の生残性を高めるために、縦坑を複数化するとなれば、北朝鮮の工事能力では4年かかるかもしれない。

(硬化地下サイロを複数設ける場合も同じ。米ソのICBM用の強化コンクリートサイロは、1基の工期が2年以上かかったとされている)

ーー

ステルス爆撃機の「B-2」や、ステルス戦闘機「F-22」に空爆させるというオプションは、万が一にもその有人機が墜落したり、乗員が北朝鮮の捕虜になるというリスクが、政権1年目のトランプ氏としては、ほとんど受け入れ難いため、空母からの有人機による爆撃と同様に、選ばれることはないであろう。

すなわち「空母艦隊は派遣してみせるが、北朝鮮空爆は命令しない」という結論である。

だが、もしトランプ氏が2期目も狙うのならば、そして歴史に汚名を残したくなければ、今のうちに「禍根」は断っておかねばならない。

ーー

では、具体的にはどんな方法があるだろうか。

黄海から作戦を決行すれば、北京は、漁船団の「海上民兵」を含めたあらゆる手段でそれに対して各種の妨害を加える。

さもないと北京が軍から激しく詰め寄られてしまうからだ。

日本海側からの作戦も、モスクワが黙って傍観するわけがない。ロシア海・空軍が妨害行動に出てくるであろう。

だからトランプ政権としては、対北朝鮮作戦に空母を使う気なんて最初から全くないだろうとわたしは考えている。

対北鮮の有事において米空母艦隊に何か役目があるとすれば、それは真の攻撃軸から敵の目を逸らしておくための「囮(おとり)」、すなわち「陽動/陽攻」用としてだけだろう。

ーー

しからば、派手な煙幕ではない主力の攻撃手段とは何なのか?

ーー

北京やモスクワからいっさい邪魔をされずに、北朝鮮の核施設とICBM発射台を奇襲的に破壊する手段は、まず「潜水艦から発射する巡航ミサイル」が挙げられる。

ところで、戦例にかんがみれば、巡航ミサイルでは、敵の要人を爆殺することはまずできない。

だからこれまで、アフリカや中東では、「巡航ミサイルは決着性にとぼしい兵器だ」と思われてきた。

巡航ミサイルは、問題をなにも解決しないで、ただ、米政権が自己宣伝して自己満足するだけの道具なのだ。

実際、直近のシリアでも、シリア政府軍の航空機とその掩体壕等は正確に59発のトマホークで破壊されたけれども、基地機能そのものはじきに復活した模様である。

あきらかに、巡航ミサイルだけでは、戦争は決着してはくれない。

ーー

しかし、トランプ政権がひとたび巡航ミサイルによる北鮮攻撃に踏み切れば、おそらく「金正恩体制は崩壊する」。

すなわち、こと、相手が北朝鮮である場合に関してのみ、米国の「巡航ミサイル主義」は、とても正しい。

ーー

その理由を説明しよう。

対地攻撃用の非核弾頭の巡航ミサイル「トマホーク」は、北朝鮮の核関連施設とICBM射場施設を、ほぼ2日のうちにすべて機能停止させるであろう。

(第一波の攻撃終了後、日の出後の偵察衛星写真によって破壊状況を判定して、念を入れて第二波攻撃を加える必要がある。よって1日では片付かぬ)

しかし、それがうまくいっても、北朝鮮軍が機能停止するわけではまったくない。

ーー

朝鮮戦争は法的にはまだ終わっていない休戦状態である。

その結果、どうなるか。米軍と北朝鮮軍は、緩慢な戦闘を再開することになる。

北朝鮮の砲弾は米軍基地には届かない故に、米兵は1人も死なない。

平壌が空爆されない限り、彼我の実力差をよく知る北朝鮮指導部は、韓国内の米軍基地を地対地ミサイルで攻撃することも自粛するはずである。

38度線沿いの北朝鮮軍砲兵部隊による大規模なソウル(京城)市街砲撃は起きない。

なぜなら、そんなマネをすれば、韓国空軍機による平壌爆撃に米国がGOサインを出すと、平壌は知っているからである。

ーー

今日の空軍機が運搬できる爆弾の重量は1回につき数トン。それに対して、射程の長い大砲やロケット弾の充填炸薬は、数十キログラムでしかない。破壊力でも射程でも、比較にはならないのだ。

ーー

念のため注記しておこう。

「北朝鮮空軍」なるものはとっくに存在していない。
燃料が無く、パイロットの訓練ができないからだ。

したがって空軍機による空襲をしたくてもできないので、北朝鮮はやむをえない選択として、大砲やロケット弾や地対地ミサイルにばかり頼っている。

燃料油が無いのに「南進」などできないことも、いまさら説明するまでもない。

短距離弾道弾や、中距離弾道弾は、平壌政府が終戦交渉の切り札として、山の中の横穴トンネルに、最後まで温存しようとするだろう。

もちろん、「核爆弾」もだ。

ーー

北朝鮮内にはロシア兵などの余計な邪魔者は存在しない。

だから米軍は、巡航ミサイルで「目標A」群を破壊したなら、翌日は「目標B」群、その翌日は「目標C」群……と、誰にも気兼ねをすることなく延々と、巡航ミサイルによる攻撃を継続することができる。

北朝鮮国内には、政治犯を強制労働させながら衰弱死に追い込んでいる収容所がたくさんある。

米軍は、巡航ミサイルでそれら施設の看守棟をひとつひとつ破壊すれば、内外に対して、これが「人道戦争」であることを明快に宣伝できるだろう。

ーー

しかもこうしただらだら続く戦闘は、北京に大きな打撃を与える。

米朝が交戦状態となれば、大連工廠の目の前にも常時、米海軍の北鮮沿岸ブロケイド艦隊が蟠踞(ばんきょ)することになる。

(空母は含まないものの海上自衛隊が封鎖活動を支援する可能性は高い)

そうなれば黄海~渤海を利用する、その中でも天津港の物流機能は、大きく制限される。

もちろん、支那漁民の誰もそこで漁労などできない。

これは共産支那に対する米国からの「経済制裁」にも等しい大圧力となる。

ーー

東シナ海は「戦場の後方海域」となるので、世界の船員組合は「だらだら交戦」が終わるまで、同海域への乗務を拒否する。

朝鮮戦争の再開は、自動的に、支那から米国への輸出を激減させる。

トランプ氏は大統領選挙中から、北京の対米貿易政策を非難してきた。

支那貿易が打撃を被ることを、トランプ氏は愉快に思うはずだ。

トランプ氏の初志は、はらかずもこうして貫徹されるわけだ。

ーー

こうなってはいよいよ北京も、金王朝の「転覆工作」を始動させるしかなく、それが、米朝戦争を、早期に「決着」させることになる。

ーー

北京政府の英文政治宣伝サイト『Global Times』に4月11日、共産党軍による北鮮核施設に対する空爆をチラつかせる文章が掲載され、数時間後に削除された。

これは北京として、米軍が北朝鮮の核施設を空爆することについて半ば事前承認していることを強く示唆している。

北朝鮮が、次の核実験、もしくは次の長距離ミサイル発射を試みるときが、トランプ政権が決断するときであろう。

ーー

「金王朝終焉」の合図は、北朝鮮の核施設への米軍巡航ミサイルの発射である。

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